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その他 2021.11.16

料理の基本 ~食材の切り方 1~

料理本などで「半月切り」「いちょう切り」「乱切り」といった用語を
目にしたことがあると思いますが、わからないからといって適当に切るのは禁物!

食材は切り方によって食感や火の通り方、味の染み込み方などが変わってしまいます。
美味しくいただくためには、料理に合わせた“切り方”が大切です。
そこで今回から3回にわたり、料理の基本である“食材の切り方”についてご紹介します。

1.基本の切り方 (五十音順)

あ行

1-1.【いちょう切り】


食材を縦十文字に切り、端から垂直に一定の厚さで切る切り方。
厚さは料理によって変えます。
いちょうの葉の形に似ていることからこの名がつきました。

◇豚汁やスープ、煮物などに適した切り方

1-2.【薄切り】


端から1mm程度の厚さに薄く切る切り方。
繊維に沿って切ることを「縦薄切り」、
繊維を断ち切るように切ることを「横薄切り」という。

◇炒め物や和え物などによく用いられる

か行

1-3.【隠し包丁】


食材に切り込みを入れること。
火の通りが良くなり、味が染み込みやすくなります。
大根やナス、こんにゃくなどによく使われます。

《大根の隠し包丁》
1.必要な厚さに輪切りし、厚めに皮をむく。
2.片面だけに十字の切り込みを入れる。
(切り込みの深さは厚さの1/3程度を目安に)

◇おでんやふろふき大根などを作るときによく用いられる

1-4.【飾り切り】

ひと手間を加えることで、見た目が華やかになるだけでなく
火の通りが良く、味も染みやすくなります。

《しいたけの飾り切り》

1.軸を切り落とす。
2.かさの中心にむけて斜めに切り込みを入れる。
3.逆方向からも切り込みを入れ、V字型に切り取る。
4.同様に2か所切り込みを入れ、米印になるよう切り取る。

◇鍋や煮物、雑煮に

《花れんこん》


1.皮をむき、8~10㎜厚さの輪切りにする。
2.穴と穴の間にV字に切り込みを入れる。
3.穴に沿って丸く形を整える。

◇見た目もきれいで煮物や甘酢漬けなどにおすすめの切り方

《手綱こんにゃく》


1.5~8mm幅に切ったこんにゃくの中央に切り込みを入れる。
2.切り込みに片端をくぐらせてねじる。

◇味の含みもよくなるので煮物などによく用いられる

《ねじり梅》


1.にんじんを1cmの輪切りにし、梅型で抜く。
2.花びらの間から中心に向かって切り込みを入れる。
3.花びらの中央から2の切り込みに向かって斜めに切り取る。

◇煮物や汁物、おもてなし料理に

1-5.【桂むき】


円柱に切った食材を帯状に薄く長く、むくように切ること。
料理の見た目を良くする「飾り切り」の一種で
大根やにんじん、きゅうりなどに用いる。

《大根の桂むき》
1.5~7cm程度の幅に切る。
2.切り口を平行にし、皮を厚めにむいて凹凸をなくす。
3.大根を包丁の方向に押し出すように回し、包丁は大根に
 ピタッとあてたまま軽く上下に動かすようにして薄くむく。

◇刺身のつまやあしらいに

1-6.【くし形切り】


球形の食材を放射状に切る切り方。
縦半分に切り、切り口の中央から包丁を入れて4~8等分に切る。
髪をとかす櫛(くし)の形に似ていることからこの名がつきました。
食べやすくなるだけでなく、盛り付けもしやすくなります。

◇ポトフやカレーなどの煮込み料理に

1-7.【小口切り】


ねぎやきゅうりなど細長い食材を端から一定の厚さで切る切り方。
きゅうりは「輪切りにする」と表記されていることもあります。

◇薬味や料理のトッピングに

2.おわりに

いかがでしたか?
“切る”ことは料理の出来栄えを左右する大事な作業です。
切り方ひとつで、味わいも見た目も変わります。
調理法や目的に合わせて切り方を選びましょう。

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