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厨房用品 2018.1.09

南部鉄器の魅力

青木

 

鉄製品といえば【南部鉄器】
『鉄分補給に!』とご購入されるお客様がほとんどですが、ほかにどんな魅力があるのか簡単な歴史も踏まえて紹介します。

 

1.南部鉄器の歴史

17世紀初め、現在の岩手県盛岡市を中心とした地域を支配していた南部藩が、京都から盛岡に茶釜職人を招いたのが始まりです。
その後、各地から多くの鋳物師、茶釜職人を南部藩に呼び寄せ、武器や茶釜、日用品を作らせました。
有名な南部鉄瓶は18世紀になって茶釜を小ぶりにして改良したのが始まりで、手軽さから広く用いられるようになりました。
一方、伊達藩の支配下にあった現在の岩手県水沢市にあたる地域でも、日用品の鋳物の生産が盛んになりました。
明治時代以後は両産地の技術交流が進み、昭和30年代には盛岡と水沢両方の土地で作られた鋳物を総称して南部鉄器と呼ぶようになりました。

当店取り扱いの「岩鋳」は盛岡南部鉄器、「及源」は水沢南部鉄器。
どちらも南部鉄器のトップメーカーです。

 

2.南部鉄器の魅力

2.1鉄分補給

なんと言っても鉄分補給が1番の魅力です。
南部鉄器で調理をすると鉄分が少しずつ溶け出し、食材や水分に鉄分が移ることで簡単に鉄分補給ができます。
南部鉄器から溶出する鉄分のほとんどが人間の身体に吸収されやすい「二価鉄(ヘム鉄)」と呼ばれるものです。
継続的にお使い頂ければ貧血予防や改善に効果があります。
また、味噌や食酢などの酸味のある調味料を使用すると、より多くの鉄分が溶出することが実証されてます。

 

2.2冷めにくい

南部鉄は一度溜め込んだ熱を簡単には逃がしません。
アルミ鍋より熱が冷めるまでに1.5倍かかります。
また熱伝導率にも優れており、ステンレス製のやかんでお湯を沸かすより早く沸きます
更に南部鉄器特有の「アラレ」と呼ばれるイボが模様として施されている鉄瓶は、このような紋様を付けることで鉄瓶の表面積が増すため、湯が早く沸き、熱湯が冷めにくくなる効果もあるとのことです。

 

2.3温度にムラができにくい

南部鉄器は厚み(約4~10mm)があり、たくさんの熱を蓄えることができるため保温性が高くなります。
その蓄えた熱は全体にまんべんなく伝えることができるため、温度差ができにくい特性をもっています。
熱をムラなく伝える厚手の鉄鍋は「揚げ物」に適しています。

 

2.4焦げ付きにくい

南部鉄器には、油なじみが良いという特性があります。
それは、【砂型】によってできた無数の小さな穴に、油が良くなじむからです。
何回も使い込むことで、油が全体に行き渡り、焦げ付きにくくなってきます。
油なじみが良くなってくると、黒くつやつやとしてきます。

※【砂型】とは…溶けた鉄を流し込む為の、砂を固めた鋳型のこと。冷めたら砂型を壊して中から鉄器を取りだす。

 

2.5安定して調理が可能

重厚に作られている南部鉄器は熱による変形が少なく、重さがある分、安定して調理することができます。
熱をたくさん保有するので、炒め料理などで水分を飛ばすために行うフライパンを「振る」という作業が必要ありません。
南部鉄器は重くても調理時に短所になる事はありません

 

2.6味がまろやかに

鉄瓶で沸かしたお湯はまろやかになります。
南部鉄器のふんわりとじっくり温める性質で、お味噌汁やお雑煮などの汁物も味がまろやかになります。
味がまろやかになると普段よりも味が濃く感じるため、調味料が約2/3程で済みます。

 

2.7長く使える

南部鉄器は耐久性に優れ丈夫なので、お手入れに気をつければ、何世代にも渡り長く使える物です。
使えば、使い込むほど味が出ます。

 

3.まとめ

『鉄製品』と聞くと、鉄分補給ができて体に良さそうと思う反面、「重くて扱いにくそう」、「錆びるだろうな」とマイナス面が強く出る方が多いのではないでしょうか?
重くても持って調理する必要がない、使う程に焦げ付きにくくなるなど、使い方とうまく付き合えばプラス面が多い道具だということがわかりました。
後は、ちょっとしたお手入れで、更に長く使える道具となるのです。

次回は、南部鉄器のお手入れ方法について紹介したいと思います。

 

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