食器・厨房コラム

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厨房用品 2021.9.30

「おひつ」の上手な使い方

昔はどの家庭にもあった「おひつ (お櫃)」。
ごはんを美味しく保存できることで昔から重宝されてきた「おひつ」は
毎日を忙しくしている現代人にこそピッタリのアイテムなのです。

今回は、「おひつ」の使い方のポイントやお手入れ方法についてご紹介します。

1.「おひつ」とは?

おひつとは、炊飯器や土鍋で炊いたごはんを移し替えて保存しておく容器のこと。
多くは木製ですが、中には陶磁器製や樹脂製など様々な素材で作られたものもあります。

「おひつ」にごはんを入れるとなぜ美味しくなるの?
おひつに入れたごはんは、ツヤツヤしてふっくら。
ごはんを美味しくする理由は“木の性質”にあります。

木には調湿性があり、炊きたてごはんに含まれる余分な水分を
吸収してくれるだけでなく、水分が少なくなってきたときにはそれを補ってくれるため
木のおひつで保存するとごはんの水分を最適な状態で保つことができます。

このほどよい水分バランスが、ごはん本来の美味しさを最大限に引き出してくれるのです。

2.初めてでも簡単!「おひつ」を使ってみよう

初めて使用するときは、始めに“アク抜き”を行います。

《方法 その1》
1.おひつにお水を張り、100cc程度の酢を入れかき混ぜて3時間ほどおく

2.酢水を捨てたら水洗いをして、水分を拭き取り乾燥させます

《方法 その2》

1.お米のとぎ汁でおひつを満たし、そのまま3時間ほどおく
(1回目のとぎ汁で足りない場合は2回目、3回目のとぎ汁を足して満たします)

2.とぎ汁を捨てたら水洗いをして、水分を拭き取り乾燥させます

3.上手な「おひつ」の使い方

ポイント① ごはんを入れる前に内側を湿らせる

炊き上がったごはんを入れる前に、おひつの内側を水で湿らせます。
濡れ布巾で拭いても良いですし、水を少し入れて布巾で拭いてもOK。
ひと手間かけるだけで、おひつの内側にごはんがつきにくくなります。

ポイント② ぎゅうぎゅう詰めにしない

ぎゅうぎゅうに詰めるのではなく、蒸気を飛ばすようにしながら
「ふんわり」と真ん中によそいましょう。

ポイント③ 布巾を挟む

おひつにごはんを移した後、本体と蓋の間に布巾を挟んでおくと
布巾が余分な蒸気を吸ってくれます。
もちろん、布巾なしでごはんを保存してもOK。

蓋の内側に溜まる水滴が気になる方は、蓋をするときに布巾を
一枚挟むと良いでしょう。

ごはんが炊けたらすぐにおひつに移し、常温で保存しましょう。

徐々にごはんの温度は下がっていきますが、蓋をしておけば
2~3時間はほのかな温かさを保つことができます。

常温で保存できる時間は長くても“半日程度”。

涼しい場所や冷蔵庫で保存すれば1日程度保存できますが
暑い夏場は保存に注意が必要です。

おひつで保存していたごはんは、冷やご飯のままでも美味しく食べられますが
温めたい場合は、ごはんをお茶碗によそってから電子レンジにかけてください。

4.お手入れ方法

1.亀の子たわしや棕櫚のたわしを使い、木目に沿って水で洗う。
 (汚れが気になるときは粒子の粗い粉タイプのクレンザーを使用すること)

2.綺麗な布巾でしっかり水分を拭き取り、直射日光の当たらない
 風通しの良い場所で上向きにして乾燥させる。

洗った後に消毒用アルコール(エタノール)を霧吹すると、黒ずみやカビの発生を抑えてくれます。

5.おわりに

いかがでしたか?
ごはんが冷めても美味しさを保ってくれる「おひつ」。
ライフスタイルの変化とともに、現代の家庭ではあまり使われなくなってしまいましたが
“ごはんを保存しつつ、美味しくしてくれる優秀な調理道具”をどうぞお試しください。

使い方のポイントをしっかり押さえれば、毎日のごはんがさらに美味しくなりますよ。

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「おひつ」の上手な使い方

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