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厨房用品 2021.11.04

包丁の研ぎ方

玉ねぎを切ると涙が出る、トマトがきれいに
切れず潰れてしまったなんて経験はありませんか?

それは、包丁の切れ味が悪くなったサイン。

切れ味の落ちた包丁で切ると食材本来の旨味や鮮度
また料理の見栄えを損なう原因にもなりますので
定期的に包丁を研いでメンテナンスすることが必要です。

今回は、砥石を使った包丁の研ぎ方についてご紹介します。

1.包丁研ぎの基本道具

1-1.【砥石】


砥石は粒子の細かさにより「荒砥石」「中砥石」「仕上げ砥石」の3種類に分けられます。

 ・荒砥石(#200前後):刃が欠けた場合や刃の形状を直すときに使用

 ・中砥石(#1000前後):切れ味が落ちたときに使用

 ・仕上げ砥石(#2000~#10000):鋭い切れ味にしたいときに使用

普段使いで刃が少し丸くなった程度であれば「中砥石」が最適です。
※ セラミック包丁は材質が特殊なため、専用の砥石が必要です

1-2.【研ぎ台 (または濡れ布巾)】

砥石を固定する専用台。濡れ布巾でも代用可能です。

1-3【バケツや洗い桶】

砥石に水を含ませる際に使用します。

1-4【面直し用砥石】

包丁を砥いでへこんだ砥石を平らに直すための砥石。

2.両刃包丁を研ぐ手順

1.砥石を水に浸す

砥石を水に浸けて、水を含ませておきます。
バケツや洗い桶に水を張り、気泡が出なくなるまで約20分程度しっかり浸してください。
濡らさずに使うタイプの砥石であれば、水に浸す必要はありません。

2.砥石に対する“角度”を一定に保ったまま包丁を研ぐ

砥石は専用の研ぎ台または濡れ布巾の上に置いて動かないように固定し、包丁は利き手で柄を握り
峰と呼ばれる背中部分を人差指で、あごと呼ばれる刃に近い部分を親指で押さえるように持つと
砥石にあてる包丁の角度が安定しやすくなります。

①体の正面に縦向きで置いた砥石に水をかけ、刃先を自分側に向けて包丁を持つ

②砥石の辺に対して約45度の角度で包丁を置き、刃先を砥石にあてたまま包丁を約15度起こす

 砥石と包丁の背の間に、小指の第一関節まで入った角度が15度の目安です。

③もう片方の指を刃先の近くに軽く添え、切っ先(先端)・真ん中・アゴ(根元)と順番に研いでいく

力を入れず、角度を保ったままゆっくり前後に動かします。
切っ先と刃元を研ぐときは柄を上げ下げして刃先が均一に当たるようにしましょう。

研いでいる最中に出る泥は「砥どろ (とどろ)」と呼ばれるもので、研磨剤の役割を持ちます。
水で洗い流したりせず、砥どろの上に水を少しづつ加えながら研いでください。

なお、砥石全体を使うと効率よく研ぐことができ、砥石の摩耗の偏りを
抑えることができるので、 砥石自体のお手入れが楽になります。

3.刃先全体に“まくれ”が出るまで研ぐ

うまく研げていれば、反対面の刃先に“まくれ (バリ・かえり)”がでてきます。
包丁を軽く洗い、指3本で峰から刃先に向かってなでるように触り
髪の毛1本分程度の引っ掛かりを感じたらOK。

研ぎ過ぎないよう“まくれ”をこまめに確認してください。

4.反対面の刃も同様に

片面が研げたら包丁を裏返し、反対面も同様に研ぎ進めましょう。
アゴ付近は指が当たって研ぎにくい場合は、包丁を真横に近い角度にして研いでください。

5.新聞紙で“まくれ”を取り除く

両面を研いだら、平らな場所に広げた新聞紙の上で“まくれ”を取り除きます。
包丁を右から左、左から右へと払うような感覚で刃先の両面をこすって落としましょう。
触ってみて“まくれ”がなくなれば研ぎ上がりです。
研ぎ終わった包丁は水洗いをして汚れを落とし、乾いた布でしっかり水分を拭き取ってください。

6.最後に砥石のメンテナンスを

包丁を研ぐと砥石の表面にへこみが生じます。
へこんだままの砥石で研ぐと、研ぐ角度が安定せず上手に研ぐことができません。
包丁を研ぎ終わったら「面直し用砥石」で砥石の研ぎ面を平らな状態にしておきましょう。

7.おわりに

いかがでしたか?
切れ味が落ちたなと思ったら、包丁を研ぐタイミングです。
ほぼ毎日料理をされるご家庭であれば月1~2回を目安に研ぐと、よい切れ味が持続します。
包丁の切れ味がよくなると、お料理が楽しくなりますよ。
ぜひ実践してみてください。

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