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その他 2020.9.17

「卵」と「玉子」、同じ「たまご」なのに何が違うの?

高橋

毎日のように食卓やお弁当に登場する「たまご」。
栄養価も高く必ずストックしている方も多いかと思います。
その「たまご」、いざ書いたり、レシピサイトで検索しようとした時など
「卵?玉子?どっち?何が違うの?」と悩んだことはありませんか?
実は明確な違いがある「卵」と「玉子」についてご紹介します。

 

1.「卵」とは

「卵」は、鳥や魚、虫などの雌が産む、胚(多細胞生物の発生初期の個体)や
栄養分が殻や膜に包まれ、孵化すると子になるもので、卵(らん)とも言い、
生物学的な意味を持ちます。

または修行中など一人前にならない人や、本格的にならない事、
未成熟なものを指すことにも使われ
「医者の卵」や「台風の卵」のような場合にも使われます。

 

2.「玉子」とは

「玉子」は食用を目的とした鶏卵、もしくは鶏卵を使った料理に限って
使われるのが一般的です。
その為、「蛙の玉子」のような表記はせず、
魚類などのたまごは調理済みでも玉子とは表記しません。

 

3.漢字の由来

諸説あるようですが「卵」という文字は、虫や蛙の卵が連なった様子が表現された
象形文字と言われています。その形から、精子と卵子が向き合って生じる「たまご」を
意味する漢字が成り立ったと言われています。

たまごは平安時代には「殻の子(かひのこ)」という意味で「かひご」と呼ばれており
「卵」はその後にに当てられた漢字で「卵子(かひご)」とも書かれ、
「卵」単独では「かひ」とも言われていました。

一方「玉子」は形が球状ということから「玉の子」で「たまご」と呼ばれるようになりました。
こちらは「かひご」と「蚕(かいこ)」との区別の為に室町期頃から方言、俗語として使われ、
江戸時代以降、こちらの「たまご」が広く用いられるようになりました。
それに伴い、「卵」も「たまご」と呼ぶようになったようです。

 

4.「生」と「調理後」の違い

生物学的な、象形文字を由来とする「卵」、食材の「玉子」(鶏卵)ですが
鶏卵についてはそれ以外の意味合いを持つ場合もあります。
「卵」は生のものに、「玉子」は調理したものに用いられるイメージがあり
そのように区別している方も多いようです。
「生卵」の表記は見かけますが「生玉子」はあまり見かけませんよね。

しかし、表記に関しては明確な基準がなく、
「温泉卵」や「温泉玉子」、「ゆで卵」や「ゆで玉子」、
「卵焼き」「玉子焼き」、それぞれどちらも見かけますし、間違いではありません。
そこまで厳密に考える必要はないかもしれませんが、
迷ったら生か調理後かでどちらを使うか判断してもいいかもしれませんね。

 

5.おまけの「出汁巻き玉子」「厚焼き玉子」「玉子焼き」

 

「玉子焼き」の表記について出てきたので、上記3つの違いもご紹介。

・出汁巻き玉子
出汁(鰹節・昆布・椎茸しいたけなどを煮出した汁)が入った卵液を
玉子焼き器などで巻きながら焼く玉子焼きのことで
関西と関東では出汁の分量が違うのが一般的です。

関西はたまごと出汁だけで作るものが多く、玉子に対しての出汁が多めで
あっさりしているのに対し、関東は出汁以外に醤油や砂糖を入れることが多く、
関西のものより甘めで濃い味付けものが多いようです。

・厚焼き玉子
厚みなど見た目は出汁巻き玉子と似ていますが、こちらは砂糖や醤油で味付けされ
出汁の入っていないものを指します。

・玉子焼き
厚焼き玉子、薄焼き玉子、目玉焼きなど、鶏卵を使った料理全般を指しますが、
厚焼き玉子を意味することも多く、調味料以外の具が入っていないものを厚焼き玉子、
ねぎや海苔、ほうれん草やチーズなど具の入っている場合は玉子焼き、と
具の有無で区別する場合があります。

・専用の玉子焼き器を使って
卵液を溶いて薄く焼き、巻きながら作る出汁巻玉子や厚焼き玉子ですが、
専用の玉子焼き器があり関東と関西では形が違います。
関東式は正方形に近く、関西式は巻きやすいよう長方形になっています。

熱伝導が良く短時間で均一に加熱することができ、プロにも愛用者が多い
銅製の玉子焼き器は使い始めの油ならしや、普段のお手入れなど
ちょっと気を付ける必要はありますがふわふわの玉子焼きを作るのには最適です。

耐久性が高い鉄製は、じっくり火を通すことができてしっかりした玉子焼きにぴったり。
銅製同様、油ならしやお手入れは必要ですが、使い込んでいくうちに愛着がわき、
玉子焼き器を「育てる」楽しみも味わえるのではないでしょうか。

お手入れが簡単なフッ素樹脂加工のものは、とにかく手軽に使えるのが魅力です。
空焚きや強火には注意が必要ですが、忙しい朝など、玉子焼きだけではなく
ちょっとお弁当のおかずを調理したりするのにコンパクトなサイズが最適です。

正方形・長方形以外にも様々な玉子焼き用のフライパン等がありますので
用途や生活スタイルに合わせてお選びくださいね。

 

6.まとめ

いかがでしたでしょうか。「卵」と「玉子」の違い、お分かりいただけましたか?
今まで「どっちが正解?」と思いながらなんとなく漢字を使い分けていたり、
あえて平仮名で「たまご」と書いていたり…
「卵」は生物学的なもの、もしくは生の鶏卵。
「玉子」は食用の鶏卵、もしくは鶏卵を調理したもの
美味しい玉子焼きを食べながら、漢字の由来などもあわせて
あらためて「卵」「玉子」のことを考えてみてはいかがでしょうか。

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