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その他 2020.11.29

知るとさらに楽しい!和食器・やきもの用語 〜その2〜

遠藤

日常的に使われている和食器。

やきものには絵付けや成形など様々な技法があり、
普段の生活では耳にしないような用語が沢山出てきます。

今回は“和食器・やきものに関する用語 (か行〜た行)”をご紹介します。

 

1.か行

 

1-1.【高台】こうだい

うつわの底についている台のこと。
「輪高台」「切高台」など様々ある。

 

1-2.【五彩】ごさい

中国・明時代に集大成された白磁の上絵付技法。
五色でなくとも、同じ技法で作られていれば五彩という。
日本に伝わって「赤絵」「色絵」などと呼ばれました。

 

1-3.【呉須】ごす

酸化コバルトを主成分とした、下絵付(染付)に用いる絵具のこと。
釉薬を施して焼成すると藍色に発色する。

 

1-4.【古染付】こそめつけ

出典元:石洞美術館

中国・明代末期に景徳鎮民窯で焼かれた染付磁器。

 

 

1-5.【骨灰】こっぱい

牛骨を焼いて粉末にしたもの。
ボーンチャイナの素地原料、釉薬の乳濁剤として使われる。

 

1-6.【粉引】こひき・こびき

素地の上に白化粧を施し透明釉をかけて焼成したもの。
“粉を吹いたように白い”という意味で「粉吹 (こふき)」とも呼ばれます。

 

1-7.【御本】ごほん

焼成によって現れる窯変のひとつで赤い色彩や斑点状の模様が現れること。

 

1-8.【胡麻】ごま

焼成時に降りかかった灰が溶けて変化したもの。
胡麻のような粒がついているのが特徴。

 

2.さ行

 

2-1.【三彩】さんざい

二種類の釉薬で加彩した陶磁器のこと。
素地の色を合わせると三色ですが、二色の釉薬を用いるので「二彩 (にさい)」と呼ばれることもあります。

 

2-2.【自然釉】しぜんゆう

焼成中に素地の表面に薪の灰が付着し、融けて釉薬となったもの。

 

2-3.【鎬・削ぎ】しのぎ

ヘラやカンナなどで素地の表面を削って作る稜線文様のこと。

 

2-4.【白化粧】しろげしょう

「粉引」ともいう。
焼き上がりを白く見せるために、白化粧土を素地の表面に掛けたり塗ったりすること。

 

2-5.【透かし彫り】すかしぼり

細い小刀などを用い、生乾きの器面をくりぬいて装飾を施す技法。

 

2-6.【青磁】せいじ

微量の鉄分を含んだ灰釉(青磁釉)を施した陶磁器。
翡翠に似た美しい青緑色の釉色が特徴。

磁土を用いた場合を「青磁」、陶土を用いた場合を「青瓷 (せいじ)」と区別することもあります。

 

2-7.【象嵌】ぞうがん

表面に模様などを彫り、化粧土を埋め込む装飾技法。
素地と模様の化粧土に凹凸がないのが特徴。

 

2-8.【染付】そめつけ

素焼きした白色の素地に呉須で絵付けをし、透明釉を掛けて焼成したもの。
中国では“青花 (せいか)”という。

 

3.た行

3-1.【タタラ】

粘土を板状にしたもの。
板状にした粘土を曲げたり組み合わせたりして成形する方法を“タタラ作り”という。

 

3-2.【鉄釉】てつゆう・てつぐすり

酸化鉄を含んだ釉薬のこと。
天目釉、柿釉、飴釉などがあり、鉄の含有量や焼成の具合で発色が異なる。

 

4.おわりに

いかがでしたか?
バリエーション豊富な和食器。
器のことを少し知るだけで、お店で選ぶときはもちろん、
毎日の食器選びもさらに楽しくなります。

ビールやワインを飲むときに、やきものの酒器を使ってみるのも素敵ですよ。

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