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その他 2019.7.05

すり鉢は「ごまをする」だけじゃない!?

高橋

みなさん、「すり鉢」はお持ちですか?
ゴマをする調理道具というイメージの強いすり鉢ですが
大きくて重い、ゴマをする以外なにに使うの? 手入れが大変そう…と
お持ちでないご家庭も少なくないと思います。
今回はそんなすり鉢の便利で使えるところをご紹介します。

 

1.すり鉢って?

食物をすり潰しながら混ぜる為の調理器具で、多くは陶器製です。
内側には「櫛目」という放射線状の溝が付けられ、すりこぎ棒と一緒に使います。

すり鉢の内側には釉薬というガラス質のコーティングが施されていますので
汚れが染み込む心配はありません。
ですので、普通に食器等を洗うのと同じようにスポンジ等で洗えば汚れは落ちます。

お手入れについては後ほど詳しくご紹介します。

 

2.用途に合ったサイズを

いざすり鉢を買おうとすると様々なサイズがあり、
どれが自分に合うのか悩んでしまうかもしれません。

すり鉢の大きさは「号」または「寸」という単位で表されます。

一般的に、
1~2人で使用するのであれば7号(7寸)、
3~4人であれば8号(8寸)が適当かと思われます。

大きさごとの具体的な使い方の例としては

・4号(約12cm)、5号(約15cm)
ゴマだけをする/すったゴマをそのまま食卓に出すために

・6号(約18cm)7号(約21cm)
少人数分の和え物作りに

・8号(約24cm)
3~4人家族に

・9号(約27cm)
5~6人家族に

・10号(約31cm)
6人家族でしたら10号のすり鉢でもいいかもしれません。

尚、11号を越えると業務用サイズとなります。

 

3.どんな使い方ができるの?

◎ゴマをする

まず真っ先に思い浮かぶ使い方はこれですね。
普通にゴマをするだけでなく、すった後にそのまますり鉢の中
ゴママヨやソースやドレッシングを作るのにもおすすめです。

◎お茶の葉をする

すり鉢でお茶の葉をすりつぶして粉末状にし、茶葉ごと飲めば
茶葉の栄養素を全て摂取することができます。
この「粉茶」は健康に気を遣っている方に人気です。

◎梅干をつぶす

料理で梅干を使う際、包丁を使う場合が多いと思いますが
梅干を使ったたれを作る場合や、梅干と和えたりする場合はすり鉢が便利です。

ドレッシングやたれは、すり鉢で梅干をつぶした後、
そのまますり鉢で作れますし、和える場合もすり鉢をそのまま使え、
洗い物も減らすことができます。
おしゃれなすり鉢ならそのまま食卓に並べる器としても使えます。

◎アボカドやバナナをつぶす

どちらも柔らかくてつぶしやすい食材ですが、
つるつる滑って扱いにくい場合はありませんか?
ふり鉢は溝があるので滑りにくく、簡単につぶすことができます。
アボカドディップなどは小ぶりなすり鉢で最後まで仕上げ、
そのまま食卓に並べてみてはいかがでしょうか。

◎山芋をする
山芋を使ったとろろをつくる時にはぜひすり鉢をお使いください。
すり鉢ですることにより滑らかになり、細かな気泡を含んだふわふわの状態になります。
山芋を直接すり鉢ですりおろす方法もありますが、ちょっと時間がかかるので
まずおろし金でおろして、それをすり鉢ですって滑らかにするのがおすすめです。

◎離乳食を作る

離乳食を始めたたばかりの赤ちゃん用に、おかゆや茹でたイモ類や野菜、魚などの食材を
すりつぶしてペースト状にする際にも使います。
陶器製のすり鉢は勿論、樹脂製のすり鉢でもレンジ使用可能なものがありますので
レンジでチンしてそのまますり鉢ですりつぶすことができます。
離乳食のためだけに購入するのはちょっと…と躊躇されている方もいるかもしれませんが
上記のような色々な使い方ができますので、使いやすいコンパクトなサイズを
ぜひひとつご購入されてみてはいかがでしょうか。

 

4.長く使うために

せっかく色々使えるすり鉢、きちんとお手入れしてぜひ長く使いましょう。

・すり鉢のお手入れ

使用後に水やお湯を張っておき、汚れをふやかしてから洗えば大抵の汚れは落ちます。
油汚れがひどい場合は台所用洗剤を使用しましょう。

溝に入った汚れを掃除する際は亀の子タワシや歯ブラシなどがおすすめです。
尚、金タワシは溝や表面のコーティングを傷つけてしまうのでおすすめできません。

中華鍋を洗う道具として知られている竹ササラもおススメですが、
使用後の御手入れに気を付けないとカビが発生することがあります。
一般家庭ではその竹ササラの代わりに、爪楊枝を使うアイディアも。
一本一本で細かい所を掃除するのはもちろんですが、数本まとめて輪ゴムで束ねて
竹ササラのようにして使うこともできます。
こちらは使い捨てができますのでお手入れの必要が無く、毎回清潔に使えます。

・すりこぎ棒のお手入れ

木製のすりこぎ棒は汚れが内部にしみ込みやすいので、
まず使う前に水分ですりこぎ棒の表面を湿らせましょう。
これをすることにより、表面がコーティングされた状態になり
食べ物などが内部にしみ込みにくくなります。

使用後は水に浸けて汚れをふやかしますが、長時間の浸水は
黒カビの発生や加湿によってひび割れの原因になることがありますのでご注意ください。

柔らかいスポンジなどで汚れを洗い流した後は、きちんとすすいでしっかり乾燥させます。
乾燥させる際、縦に置くと棒の内部に水分が長く残りやすいので、横にしましょう。
下の部分にも空気が通るようにして全体をしっかり乾燥させます。
天日干しはひび割れの原因になることがありますのでおすすめできません。

 

・もしすり鉢に黒カビは生えてしまったら

すり鉢に水をはり、台所用塩素系漂白剤を使用します。
黒カビがとれていることを確認したら、しっかりすすいで下さい。

すりこぎ棒にカビが生えてしまった場合は、まずは表面を濡らして
中性洗剤で洗ってみて下さい。
それでも落ちなかった場合は、すりこぎ棒が乾いている状態で
かびの部分を紙やすりで削ります。
それでもカビが発生する場合は、カビの根が内部に入り込んでいますので
新しいものに取り替えて下さい。

 

5.まとめ

いかがでしたか?調理器具としては用途が限られているような印象のすり鉢ですが
使い方次第で意外と色々な場面で活躍してくれる道具だと思いませんか?
最近は器として食卓に並べても料理が映えるような素敵なすり鉢も多くなりました。
ぜひ使い勝手の良いお気に入りを見つけて頂き、
ごまをするだけではない、すり鉢の魅力を体感してみて下さい。

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