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食器 2021.1.15

漆器の取り扱いについて

遠藤

割烹料理やお祝いのお膳には欠かせない「漆器」。

桐箱入りの高級品なものが多くて扱いが難しそう…と思われがちですが、
基本的な扱い方さえ守れば他の食器と同じように使用できます。

そこで今回は“漆器の正しいお手入れ・取り扱い方法”についてご紹介します。

 

1.漆器とは?

 

木や竹などでできた器の表面に漆を塗り重ねたもの。

漆器の材質は高級木材を使用したものから樹脂製まで実に様々。
海外で「japan」と呼ばれた漆器は日本の伝統工芸品として有名です。

 

2.漆器の基本的なお手入れ

 

2−1.洗い

菓子鉢や茶托などの軽い汚れは、さっとぬるま湯で洗えば十分です。
油汚れは台所用中性洗剤を薄めて柔らかいスポンジで優しく洗って下さい。

ご飯などがこびりついた場合は、内側にぬるま湯をはり10分程度放置すると簡単に落ちます。

 

2−2.すすぎ

すばやく水気を切るには少し熱めのお湯ですすぐと良いです。

 

2−3.拭き取り

洗い終わったら自然に乾かすよりも布巾で拭いたほうが水滴の跡も残らず漆が長持ちします。

特に重箱の角やお椀の底などは水がたまりやすいので注意してください。

 

※蒔絵のある高価な漆器は丁寧な扱いが必要です。
ガーゼの布などで優しく洗い、柔らかい布巾で拭き取ってください。

 

3.取り扱いの注意点

漆器は「紫外線・極度の乾燥や湿気・急激な温度の変化」が苦手です。
・直射日光が当たる場所に置かない
・電子レンジやオーブン、食洗機にかけない
・冷蔵庫に長期間入れない
・極端に高温のものを入れない(沸騰したての汁物など)
・スチールたわしやナイロンブラシ、スポンジの硬い面は使用しない
・つけ置きはしない
(水分の過剰な浸透は塗膜が剥がれてしまう原因となります)

 

4.漆器の保管方法

毎日使用する器は直射日光の当たらない食器棚などに収納してください。
漆器同士なら重ね置きしても大丈夫ですが、傷や衝撃が気になる場合は、
漆器と漆器の間に布や紙などを挟んでください。

陶磁器などと重ねると表面に傷が付く恐れがありますので重ねないようにしましょう。
また、長く使わない場合は柔らかい紙や布などに包んで箱に納め、
乾燥しすぎない場所に保管してください。

 

5.おわりに

いかがでしたか?
使えば使うほど味がでる「漆器」。
ずっとしまっておくより、日常的に「使っては洗う」を繰り返すと
漆に必要な水分を補給してあげるだけでなく、ツヤが増し見た目が美しく変化します。
また、長年使ってツヤがなくなっても塗り直すことができるのも漆器の良さです。

漆器の扱いは決して面倒ではありませんので、高品質な漆器を愛用してみてください。

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