トレンド情報 2021.5.13
今流行りの和モダンな波佐見焼を学ぼう!
私たちの毎日の生活に欠かせないのが「うつわ」です。
全国の様々な地域であらゆる焼き物が今もなお、生み出されています。
その中で今回は波佐見焼について解説できればと思います。作られている産地の背景や特徴などを知ることで、
焼き物の見る目が変わり、これからの器選びがより一層楽しくなるはずです。
目次
1.波佐見焼【基本編】
1-1 暮らしに根付いた波佐見焼
伝統のある陶磁器の町『波佐見町』。長崎県の中央部に位置する波佐見町は、海に面していませんが、
周りには広大な山々、そして美しい小川に囲まれた自然豊かな町です。人口約15,000人のこの小さな町の
名前が日本全国に知れ渡った理由は、『波佐見焼』の存在があったからではないでしょうか。
1-2 波佐見焼の歴史
江戸時代に波佐見町村木の畑ノ原、古皿屋、山似田の3カ所で、焼き物を大量焼成するために、
登り窯を作ったことから始まりました。初期の頃は、陶器に釉薬を施したものが作られていましたが、
磁器となる原料が発見され、しだいに磁器に染付されたものや青磁が多く生産されるようになりました。
江戸時代の後期から、染付の生産量が日本一になるほどに発展していきます。
400年以上の歴史のある波佐見焼ですが、焼き物の名前が全国に広まったのはここ数年の事なのです。
それ以前は、伊万里焼や有田焼の一部として扱われておりました。
しかし、牛肉の産地偽装問題から『産地を明確にすること』が求められるようになり、有田焼として名乗ることができなくなります。
そこで『波佐見焼』を世に広めようと、窯元や工房など自治体が協力して時代のニーズにあったものづくりを進めていきます。
現在では、伝統を感じさせる中にも、モダンでオシャレな雰囲気をもつ、人気の焼き物となりました。
1-3 波佐見焼の代表作《くらわんか椀》
江戸時代からずっと愛されてきた「くらわんか椀」。江戸時代にごはんやお酒などを入れ、使われてきた普段使いのうつわのことです。
壊れにくく安定し、そのうえ手にフィットするデザインが持ち味で、手に馴染み、使い勝手のよい「くらわんか椀」は普段使いにぴったりですね。
素朴なフォルムがなんだかほっこりすると、ひそかなブームを呼んでいるらしいです。
1-4 波佐見焼の特徴
波佐見焼の特徴は、と言われています。
もともと波佐見は生活に根差した日常使いの器を作ることを得意としていました。
ですので、海外に輸出するような「有田焼」や将軍様に献上した鍋島焼とは全く違い、華やかで技巧的な特徴的なものではありませんでした。
しかし、「特徴がない」ということは逆に言えば「縛りがない」ということなのです。
波佐見焼は自由な発想で、シンプルで飽きのこない生活に根づいた器としての価値を生み出していきました。
手軽で良質な暮らしの器を目指すという姿勢は、400年前からずっと変わることなく貫かれているのでしょうね。
2.今もっとも注目されている!和モダンの波佐見焼とは?
モダンで北欧のテイストを持ったものからシンプルで飽きのないものまで豊富に揃う波佐見焼。
そこに特有の丈夫さがプラスされているのが評価されています。
そこで弊社でも取り扱っている大人気の波佐見焼。
その波佐見焼を作っている窯元を6選紹介したいと思います。
3.弊社にもある大人気の波佐見焼の窯元を6選ご紹介!
3-1 白山陶器
波佐見焼の中で誰もが知る認知度No.1の『白山陶器』。
なにより使いやすく生活の中になじむということを意識して、焼き物の新しい表情やオリジナリティーを大切にしながら、
時代を超えてスタンダードであり続ける器づくりを目指している。シンプルなようで食卓に馴染むレリーフ柄、そして隠れた機能性がまた使いたくなります。
3-2 石丸陶芸
古くから日用品としての耐久性にこだわっているので、丈夫で扱いやすく、気軽に買いやすい価格が魅力のひとつです。
庶民の日用品として気軽に買えて使える、といった「親しみやすさ」は今もなお引き継がれています。
弊社で取り扱う「アース」のマグカップのようにツルっとしたマット感とざらざらする素材感など、
デザインに特徴は無くとも手に触れて楽しめます。食卓に馴染む商品を多く取り揃えております。
3-3 藍染窯
ひとつひとつのアイテムの個性を直に伝える場に、伝統と挑戦の間で生まれるものを大切にしています。
流行り廃りではなく、伝統と今の波佐見焼の中間に位置するような器づくりをしている藍染窯。
弊社でも取り扱う「スタックスマグ」や「ステッチマグ」など鮮やかな器をてがける工房で、
長崎県波佐見町にあるカフェ「No,1210」も大人気だそうです。ちなみに「1210」とはこのカフェの住所からとっているそうです。
3-4 一龍陶苑
古くて新しい波佐見焼。江戸時代から続く「一龍陶苑」。波佐見焼に伝わる技法を昇華させて現代の食卓へ。
見た目はほどよく馴染み、ミニマムなサイズ感で、使いやすさを追求したシンプルでモダンな、ふだん使いの器を製作しております。
工房では2008年のリーマンショックの3ヶ月前から窯を24時間体制で稼動していて、
1日だいたい7000~8000ピース生産しています。
一龍陶苑で人気の、現代の食卓にフィットする「shinogi-しのぎ」シリーズは、
エッジの効いたフォルムに落ち着いた色釉が特徴的で、カラーバリエーションを豊富に取り揃えております。
3-5 翔芳窯
創業から一貫して手描きにこだわり続けている翔芳窯。そのこだわりの職人技から、
素朴感や温もりを伝えていきたいという熱い想いが器から伝わってきます。
自然をモチーフに絵付け技法の特性を生かしながら、
ふと懐かしさを感じるものからモダンで新鮮なものまで豊富に取り揃えています。
3-6 重山陶器
重山陶器では親しみやすさが人気のロングセラー「新芽(めばえ)」をはじめ、
波佐見焼の伝統を受け継いだ古典文様の器や、食卓に楽しさをもたらすカジュアルな器まで、
充実したスタッフがアイデアとノウハウをベースに様々なオリジナル商品を開発しています。
消費者のニーズに応じ、個性的で豊かな表情をもつ器を提供しております。
4.まとめ
古い歴史や技法を受け継ぎながらも現代に合ったモダンなスタイルを生み出していく波佐見焼。
手作りから伝わる素朴感や温もりを伝えていきたいという想いが伝わってきますね。
これからも波佐見焼の進化を見届けていきたいと思います。みなさんにももっと波佐見焼を知って頂きたいと思っていますので、
次回、また違う視点の波佐見焼をお伝えしていきたいと思います。
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