食器 2019.10.05
食器の種類と用途 ~和食器【鉢】~
種類が豊富な『和食器』。
色々な形の和食器を目にしますが、
何に使うのか分からないものもありませんか?
今回は【鉢】の名称や基本的な用途をご紹介します。
古くは縄文時代・弥生時代から鉢の先祖とも言える容器が発掘されており、最も古い和食器の一つです。
目次
1.鉢の種類
1-1.大鉢
「盛り込み鉢」とも呼ばれる、8寸~1尺(約24~30cm)の鉢。
大皿同様、主菜や取り分け用の料理、特に煮物など汁気のある料理を盛り付けるのに使います。
一品だけでなく、大鉢の中に二品や三品を盛り合わせて使うこともあります。
1-2.中鉢
「預け鉢」とも呼ばれる、5~7寸(約15~21cm)の鉢。
ひとり分のサラダや煮物の盛り付け、丼物などに使われます。
1-3.小鉢
~4寸(~約12cm)の鉢。
ひとり分の和え物や酢の物などの副菜、鍋の取り鉢としても使えます。
また、アイスクリームやヨーグルトなどのデザートの盛り付けにも。
1-4.豆鉢
~3寸(~約9cm)の小さな鉢。
塩やオリーブオイルを入れて大皿に乗せたり、シュガーポット代わりにしてみるのも素敵ですね。
箸置きやカトラリーレストとしても使える豆鉢は、つい集めたくなってしまうような可愛らしさが魅力的です。
1-5.向付
五寸前後の器の総称。
膳(折敷)の向こう側に「一品付ける」ことから「向付(むこうづけ)」といわれ、主に刺身の盛り付けに使います。
深い鉢形を「深向(ふかむこう)」、浅い皿形のものを「平向(ひらむこう)」、蓋のある物は「蓋向(ふたむこう)」といい、
深い筒形の向付を「のぞき」、または「のぞき向」と呼びます。
1-6.中付
珍味入れや小付よりやや大振りの三寸前後の小鉢。
懐石料理で膳の中ほどに置かれることから「中付」と呼ばれます。
1-7.小付
小鉢よりも一回り小さな鉢。
付出、珍味、デザート、香の物入れにちょうど良いサイズです。
1-8.珍味入れ
その名の通り珍味の盛り付けに使われる器。
珍味や前菜、デザート、松花堂弁当やおせちの中子などにも幅広く使用できます。
1-9.とんすい
主に、鍋料理の取り分けや天つゆ入れに使われる器。
使い方に特に決まりはないので、アイデア次第で使い道も無限大!
おしゃれなデザインのものもたくさん出ているので、ヨーグルトやシリアル、サラダなどの洋食に使うのもおすすめです。
1-10.丼鉢
ご飯物や汁物、麺類などを盛り付ける器。
和洋両方に使えるシンプルなデザインの丼鉢を持っておくと便利です。
サイズとしては、直径15~20cm、深さ8~10cmくらいがおすすめです。
1-11.麺鉢
その名の通り麺類の盛り付けに使われる器。
底の浅い鉢には「焼きそば」や「揚げそば」類、ガラス鉢には「冷やしそうめん」が最適です。
1-12.平鉢
底がやや浅く口が広い器。
和食はもちろん、スイーツや軽食など、あらゆる料理に対応できる日常使いの器です。
1-13.預け鉢
懐石でご飯のおかずになる料理(炊き合わせや和え物)を盛り付ける鉢。
預け鉢に盛る料理には決まりはありませんが、煮物は「煮物碗」、炊き合せは「預け鉢」に盛られます。
預け鉢は「亭主が水屋で食事をする間にお客に預ける料理」という意味からきています。
1-14.刺身鉢
その名の通り刺身の盛り付けに使われる器。
お刺身だけでなく、天ぷらやサラダ、煮魚、おでん等に使用するのも良いですね。
1-15.菓子鉢
「盛込鉢」とも呼ばれる、主菓子を盛るための陶磁製の器。
唐物と和物があり、朱や金をあしらった華やかな絵が描かれているものが多く見られます。
菓子は客の人数分盛り、取り分け用の黒文字箸を一膳添えます。
1-16.すり鉢
内側に「櫛目(くしめ)」と呼ばれる溝が彫られた鉢。
すり鉢の特徴は、調理器具と食器を兼ねているということ。
そのまま器として食卓に出して使いたい方は、ぜひデザインにも注目して選んでみてください。
また、なかには櫛目のない乳鉢タイプもありますが、こちらは粉末にしたり柔らかい食材をつぶしたりするのに向いています。
山芋など繊維を含む食材をするのには向いていませんので注意してください。
1-17.片口
縁の一箇所に注ぎ口がついた鉢。
注ぎ口がついたデザインは、普通の小鉢とはまた違った趣があります。
ドレッシングはもちろん、煮物やサラダ、おでんの取り皿など、いろいろな使い方ができるのも片口の魅力です。
2.おわりに
いかがでしたか?
絵柄や形を楽しめるのも和食器の魅力です。
また、どのような違いや種類があるのかがわかるようになると、食器選びもさらに楽しくなると思いますよ。
次回は【茶器・酒器】の名称や基本的な用途をご紹介します。
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