食器・厨房コラム

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食器 2021.9.16

素材別で食器のお手入れ方法って変わるの?

いつもお使いの食器、全て同じお手入れをしていませんか。場合によっては、食器が傷つくこともあります。食器の素材によって違う、お手入れ方法をしっかり学び、実践してみることで自らの経験にもなりますし、食器の美しい状態を保ち、長くお使いいただけます。今回は主な食器の素材を3つご紹介していきたいと思います。

1. 主な食器の素材3選

1-1 漆器

そもそも漆器の「漆(うるし)」とは、漆の木から撮れる樹液を指します。                  その樹液を塗料とし、木や紙などに漆を塗り重ねて作る工芸品などが漆器と呼ばれています。日本人は漆器を伝統工芸品として愛され続け、今もなお生産が続けられています。漆器は丈夫で熱や湿気に強いと言われています。しかし急激な温度変化や極度の乾燥や湿気には弱いのでお気をつけ下さい。

1-2 陶磁器

『土物』と言われる「陶器」は陶土と呼ばれる粘土、つまり土が主な原料です。                「磁器」は陶石という岩石が主な原料でそれを合わせたのが陶磁器です。
原料の違いで、それぞれの性質も変わっていきます。また、漆器の上に陶器を重ねると、底の部分がこすれて傷になってしまうことがあります。陶器と一緒にしまう場合は、陶器を下にすると安心です。

1-3 ガラス

ガラスの透明感が美しく、夏になると涼しさや安らぎを感じることができます。
洗い物の際、コップ等を重ねてはいけません。ガラスどうしがくっついて抜けなくなり、破損の原因になります。

2. それぞれの簡単なお手入れ方法

2-1 漆器

2-1-1 なにもつけずにゆっくり柔らかいスポンジで洗う

漆器は陶磁器より柔らかい素材のため、タワシ等を使いますと傷つきます。陶磁器と一緒にすると傷がつくので、 洗う場合は別々で洗う事をお勧めします。台所用洗剤は使っても問題はありませんが、長時間の付け置きや食器洗浄機で傷が付く場合があるので、使わないことをおすすめします。

2-1-2 漆器を洗ったら、乾燥させる前に拭く

漆器は極度の湿気が苦手です。洗い終わった後、ふきんなどで隅々まで拭きましょう。             ※乾かすときは必ず自然乾燥でお願いします。

2-1-3 乾いたら、直射日光を避けて、戸棚にしまいましょう。

傷が気になる方は、漆器と漆器の間に薄いガーゼなどを挟みましょう。

2-2 陶磁器

2-2-1 少しの洗剤と柔らかいスポンジでサッと洗う

基本は、柔らかいスポンジで、食器用洗剤をつけてサッと洗います。洗わずに長時間放置すると、匂いが食器に染みこんでしまいます。なるべくサッと洗いましょう。                                       

2-2-2 生乾きは絶対にダメ(陶器の場合) 

陶器は吸水性があるため、表面は乾いたと思っても吸った水分が取れていませんので、うつわの底面を上にして、重ならない状態で、半日~1日程度乾燥させてください。

2-2-3 長持ちさせるためのお手入れ(使う前)

土が粗く吸水性のある陶器については、汚れやにおいをつきにくくしたり水漏れを防ぐため、貫入や土の粗い目をふさぐ「目止め」が必要な場合があります。この「目止め」というやり方は絶対しなければいけないという決まりは一切ございません。ただ買った、貰った当初の綺麗さ、美しさを保つ方法としては一番良い方法だとされております。

  1. ご使用の前に軽く洗って下さい。
  2. 大きめの鍋に、米のとぎ汁を器が完全に浸るくらいまで入れ、弱火で15~20分ほど煮沸します。
  3. 煮沸が終わったら、鍋ごと自然に冷めるまで放置します。
  4. 冷めたら水洗いして長時間かけてしっかり乾かしましょう。

目止めの手順を見て少し面倒と思うかも知れませんが、この知識があるだけで今までより美しさが保たれるようになり、長く愛用できます。

2-3 ガラス

綺麗に洗っているはずなのになぜか底に汚れができたり、くもりが取れていなかったりとお手入れをしっかりとしないと問題が起きます。しかしその汚れやくもりを解消する方法があります。原因はさまざまですが、そうなってしまった場合のガラス食器やグラスを綺麗にする方法をみていきましょう。

2-3-1 くもりや黄ばみにはお酢や漂白剤を!

普段のお手入れでは、『丁寧に洗い、洗剤が残らないようによくすすぎ、水気を残さない』ことが重要です。    全体的にくもりやよごれがある場合は、例えば、クエン酸水をグラスのくもり汚れに吹き掛け、食器用の柔らかいスポンジで優しく磨きます。お湯ですすいで、しっかり水気を切って乾燥させてください。

《クエン酸水の作り方》
・水250mlにクエン酸小さじ2杯加えてしっかり溶かして完成。

また、茶渋や水垢による黄ばみや黒ずみは漂白剤に30分ほど浸して、よくすすぐ方法がおすすめです。
布やスポンジに塩をつけて優しくこするのも、ガラスを傷つけにくいおだやかな研磨剤の効果があります。

気になる方は、弊社のコラム『グラスやガラス食器のくもりを取る方法』をご覧ください。

3. まとめ

いかがでしたか?                                            素材によってお手入れの仕方も変わることがわかりましたね。しかし難しいやり方ではなく、実践できそうなことばかりなので一度やってみるのもいいかもしれませんね。長く愛していく食器だからこそ、キチンとした方法でお手入れをして、ずっと新品のような美しさを保ってみませんか。

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