その他 2020.4.22
意外と知らない?会席料理の献立と順序
宴会や改まった席などでいただく『会席料理』。
会席と聞くと緊張感のあるイメージを想像するかもしれません。
そこで今回は、初めてでも緊張しすぎることなくいただけるように、
会席料理の一般的な流れについてご紹介します。
目次
1.「会席料理」と「懐石料理」の違いとは?
会席料理と懐石料理、どちらも《カイセキリョウリ》と読みます。
会席料理は、かつて武士や貴族が客をもてなすために出した「本膳料理」が
基本となっており、お酒を飲みながらいただく料理です。
一方、懐石料理は茶事や茶会の席で出される料理のことで、
「会席料理」との混同を避けるため『茶懐石』とも呼ばれます。
2.会席料理の基本は「一汁三菜」
会席料理は、一汁三菜 (お椀、刺身、焼き物、煮物) が基本。
「一汁五菜」「二汁五菜」「三汁七菜」などのバリエーションがあり、
品数が増えるほど豪華になります。
また、古くからある陰陽道で奇数は「陽」、偶数は「陰」を表し、奇数を「吉」とする
考え方があることから、「菜」の数は必ず縁起の良いとされる奇数と決まっています。
3.一般的な会席料理の流れ
お店によって順番や内容が異なったりする場合もありますが、
基本的に以下のような流れになります。
3-1.一品目【先付け】
先付けは最初に出てくる料理。
「お通し」「突き出し」とも呼ばれ、本料理の前に出てくる前菜、
酒の肴(さかな)としての役割があります。
盛り付けや器も含め、季節感を美しく演出し、
目でも楽しめるような趣向が凝らしてある事が多いです。
3-2.二品目【お椀】
素材の持ち味を活かした薄めの味付けで、
前菜やお酒の後にお口直しとして出されます。
料理人の技術が現れる料理でもあります。
3-3.三品目【向付】
旬の魚を使ったお造り(刺身)のこと。
食べる順番としては“味の薄いものから濃いものへ”が基本です。
3-4.四品目【焼き物】
旬の魚介類が出されます。
お店によってはお肉料理が出される場合もあります。
3-5.五品目【煮物】
旬の野菜を使った煮物が出されます。
「炊き合わせ」と呼ばれることもあります。
大きなものは、食べやすい大きさに切り分けていただきましょう。
3-6.六品目【揚げ物】
野菜や魚の天ぷらが出されます。
淡白な味のものから濃い味へと食べられるように盛り付けられていますので、
盛りつけを崩さないように手前から順番にいただきましょう。
3-7.七品目【蒸し物】
一般的には、茶碗蒸しが出されます。
その他、かぶら蒸しなどが出される場合もあります。
器が熱い場合は受け皿ごと持ち上げるか、懐紙を使うようにしてください。
3-8.八品目【酢の物】
酢の物は口の中をすっきりさせる役割があり「口直し」の意味が込められています。
少量であっても一度に食さず、2、3回に分けて楽しみましょう。
3-9.九品目【ご飯・止め椀・香の物】
料理の締めくくりとなる「ご飯」。
止め椀とは汁物のことで、香の物は漬物のこと。
お酒はいったん切り上げ、温かいうちにいただきましょう。
3-10.十品目【水菓子・甘味】
季節の果物やお菓子が出されるのが一般的。
お口の中をさっぱりさせるという意味合いで、
お店によってはアイスクリームやシャーベットの場合もあります。
お茶は食事の最後でいただきます。
4.おわりに
いかがでしたか?
素材本来の味わいや四季を意識した盛り付けなど、五感で楽しめる『会席料理』。
初めての会席料理でも、基本的な献立と順序さえ知っていれば、
リラックスしてより食事を楽しむことができますよ。
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