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その他 2020.3.12

なぜたぬきは縁起物!?《信楽焼たぬき》の意味と由来

遠藤

玄関や店先でお客様をニコニコとお迎えしている『信楽焼たぬき』。

あの愛らしい表情は見ているだけで癒されますね。

そこで、今回は《信楽焼たぬき》の意味や特徴についてご紹介します。

 

1.信楽焼とは

 

滋賀県甲賀市信楽町を中心に作られる陶器であり「日本六古窯(信楽・備前・丹波・越前・瀬戸・常滑)」のひとつ。
信楽焼は、温かみのある「スカーレット(緋色)」の発色や、自然釉による「ビードロ釉」と「焦げ」の味わいが魅力です。

 

2.《信楽焼たぬき》の誕生

 

たぬきの置物を最初に作り始めたのは、明治初期創業「狸庵」初代の藤原銕造(ふじわら てつぞう)氏。

銕造氏が若くして京都・清水焼の窯元で修業していたある月夜の晩、たぬきたちが「ポンポコポン」と
音羽川の河原で腹鼓を打っていたという夢のような不思議な体験をした。

そのことを親方に話すと『何人に一人しか聞けぬたぬきの腹鼓だ』と教えられ、その姿を焼き物で再現しようと思いつき、
信楽に帰郷後、たぬきの焼き物を作り始めたのが《信楽焼たぬき》の始まりと言われています。

 

《信楽焼たぬき》が有名になったのは、昭和26年(1951年)、昭和天皇の信楽行幸。

日の丸の小旗を持たせた信楽たぬきを沿道並べお出迎えをした情景にとても感動なさった陛下は
「幼なとき 集めしからに 懐かしも しがらき焼の狸をみれば」と歌に詠まれました。

以来、信楽といえば“たぬき”というイメージが広く伝わりました。

信楽町長野の新宮神社にはこの歌が刻まれた歌碑が建っています。

 

3.“たぬき”はなぜ縁起物?

 

「たぬき→他抜き→他を抜く」という語呂合わせから「他人より抜きん出る」 という願いが込められており、
商売繁盛、開運、出世、招福、金運向上のご利益がある縁起物とされています。

また、たぬきは夫婦愛が強く、パートナーと一生添い遂げることから「夫婦円満」を意味します。

 

4.福を呼び込む『八相縁起』

 

信楽焼たぬきは『八相縁起(はっそうえんぎ)』と呼ばれる縁起を表しており、
笠・目・笑顔・徳利・通い帳・大きなお腹・金袋・尻尾にはそれぞれ意味があります。

 

【笠】

災難や悪事を避け、身を守ってくれる。

 

【目】

大きな目で周囲に気を配り、正しい判断をする。

 

【笑顔】

いつも笑顔でいることで商売繁盛につながる。

 

【徳利】

人徳を身につけ、飲食に困らない(商売が上手にいく)ように。

 

【通い帳】

お客様との信頼関係を上手く築けるように。

 

【大きなお腹】

冷静さと大胆な決断力を持つ。

 

【金袋】

金運に恵まれるように。

 

【尻尾】

終わりよければ全てよし。何事もしっかりした終わり方を。

 

5.徳利『丸に八の字』の意味とは?

 

信楽焼たぬきの徳利に「丸に八の字」印があるのは、

・八方丸く収まる
・末広がりで縁起が良い
・徳川家康のあだ名が“たぬき”であったこと
・尾張徳川家の『合印(他者と区別するための印)』として用いられていたマーク
・常滑焼の「まる八」紋が人気を博し、信楽でも常滑焼を模してたぬきの徳利に書くようになった

など、いろいろな説があります。

 

6.おわりに

 

いかがでしたか?

縁起物で有名な《信楽焼たぬき》。
意外と知らないことも多かったのではないでしょうか。

現在は、同じく縁起が良いとされる“ふくろう”や“カエル”を手に持つもの、
ごろ寝たぬき、夫婦たぬき、忍者の格好をしているたぬきなどバリエーションも豊富です。

「他を抜く」たぬきの置物は、商売繁盛だけに限らず、
受験に合格したい!スポーツや学業で良い成績をおさめたい!など、
ライバルに勝ちたいと願う方におすすめですよ。

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