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食器 2019.7.20

湯呑で変わる!種類と使い分け

遠藤

お茶の種類や飲む場面ごとに適した湯呑があることをご存知でしょうか。
いろいろな種類の湯呑は素材や形、大きさによって種類分けをすることができるのです。
今回は湯呑の種類や特徴についてご紹介します。

お茶を飲む際に必要な茶碗は、大きく分けて「湯呑」と「汲み出し」の2種類に分けられます。

【湯呑茶碗】

・縦長で筒状の茶碗。

・基本的には自分がお茶を飲むために使う。

容量が大きめなので、お茶が空気に触れる面積が狭く冷めにくいことが特徴。
番茶やほうじ茶など、たっぷり飲みたい場合でも温かいまま楽しめます。

【汲み出し茶碗】

・口が広く、浅い横長の茶碗。

・基本的にお客様にお茶を出す時に使う。

上質な煎茶や玉露などの日本茶をはじめ、香煎や昆布茶、桜湯などを淹れるのが一般的とされています。
また、口が広いので、お茶の色を楽しむことができます。

お客様をおもてなしするときは、汲み出し茶碗に煎茶を入れて振る舞ってみてはいかがでしょうか。

1.素材

湯呑はいろいろな素材が使われており、主なものとして磁器や陶器、ガラスなどがあります。

【磁器】

磁器で出来た湯呑みは薄手で、手に持つと軽くなめらかな肌触りです。
作りが薄い分熱が伝わりやすいので、湯冷ましをして淹れるタイプのお茶によく利用されます。

また、内側の色は白や白に近い淡いものがほとんどで、お茶の色を美しく見せる効果がありますので、
玉露や上級煎茶の繊細な色合いを堪能するのに向いています。

陶器に比べると全般的に衝撃に強いため、壊れにくいというメリットがありますが、
横から受ける衝撃や、熱衝撃に弱いというデメリットもあるため気をつけましょう。

【陶器】

陶器で出来た湯呑は厚みのある作りを特徴としています。
そのため、外への温度の伝わり方が緩やかになり、中の温度も保たれやすくなりますので、
番茶やほうじ茶など熱々のお茶を飲むのにピッタリです。

熱衝撃に強いというメリットもあるので、急に熱い温度のものを注いでも気にする必要がありません。
しかし、磁器と比べるともろくて壊れやすいデリケートな素材ですので、取り扱いには注意してください。

また、吸水性が高いため、収納する際にはきちんと乾かさないとカビが生えやすいというデメリットもあります。

【ガラス】

ガラスで出来た湯呑は夏の水出し煎茶、冷茶などでよく利用されます。
氷を浮かべると冷涼感も一段とアップしますね。

温かいお茶には耐熱ガラス製を使いましょう。
取っ手がついていると、熱さを気にせずに持つことができます。

【プラスチック】

最近増えて来たプラスチックの湯呑はリーズナブルなうえ、落としても割れないというメリットがあります。

プラスチックの湯呑はあまり高い温度のお茶を注ぐと、プラスチックが溶け出してしまう可能性がありますので、
ぬるめのお茶がおすすめです。

2.大きさ

お猪口のような小さな湯呑は玉露や上級煎茶などに向いています。
少量のお茶をじっくりと淹れ、香りや旨みを楽しむための茶碗です。

150cc程度が入る中ぶりの湯呑は、普段いただく煎茶に良いでしょう。

深い大ぶりの湯呑は、番茶やほうじ茶などをたっぷり飲みたいときにおすすめです。

湯呑は、取っ手の付いたマグカップとは異なり、手のひらでお茶の温かさや素材を直接感じ取ることができる器です。
購入する際は、手に触れた感触を確かめながら、扱いやすい大きさのものを選びましょう。

3.形

筒状やお椀型、蓋が付いているものなど、湯呑の形も様々です。

番茶やほうじ茶などは熱めのお湯で淹れるため、器が熱くなりますので、
少し端反り(はたぞり:器の口縁が反り返っている形)で、高台が高めの湯呑がおすすめです。

口当たりの良さはもちろんのこと、飲み口がほんの少し反り返っているだけで持ちやすくもなります。
また、高めの高台は熱が伝わりにくいので、器の底に手を添えることができます。
お椀型の湯呑は口が広く、入っているお茶をよく見る事が出来ますので、目でもお茶を楽しみたいという方におすすめです。

蓋付き湯呑はお茶を冷めにくくしたり、ほこりを防いだりもしてくれますので、お客様のおもてなしにピッタリです。

4.色

湯呑の色はお茶の印象を大きく左右します。

多くの湯呑は、お茶の色をきれいに見せるために内側が白か、白に近いやさしい色合いになっています。

同じような白っぽい色でも、お茶を注ぐと湯呑によってその見え方が変わってきます。
また、器の深さによっても色合いが変わりますので、購入の際には色もしっかりと確認しなければいけません。

おわりに

いかがでしたか?

湯呑といってもいろいろな種類のものが存在しています。

お茶の種類や温度に合わせて、使い分けると良いでしょう。

また、デザートや小鉢料理の盛り付けなど、アイデア次第で使い方も広がりますので、
自分のお好きなものを入れて楽しんでみてください。

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