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その他 2018.11.10

身近な食材を使って陶磁器のひび割れを修復する方法

佐藤

陶磁器のカップや土鍋にヒビが入ってしまったけど
お気に入りだからなかなか捨てられない…そんな経験ありますよね?
そこで、身近な食材を使って修復する方法をご紹介します。

1.湯のみやお皿などの場合

 牛乳で煮る

牛乳に含まれるたんぱく質の一種“カゼイン”という物質が、
熱によってプラスチックに似た分子構造になり割れた部分をくっつけるのです。

*修復手順*

①割れた部分をセロテープで繋ぎ合わせる。

②鍋に陶磁器を置き、割れた部分が浸るぐらいの牛乳を注ぐ。
弱火にかけ(沸騰するかしないかぐらい)1時間煮る。

③そのまま冷ます。

④牛乳を洗い落とす。

⑤しっかり乾燥させる。

(※負担をかけるとまた割れてしまう可能性もあるので洗うときは手洗いで。
また、使い方によってはひび割れ部分にシミができることもあるのでご注意を。)

2.土鍋の場合

土鍋がひび割れする原因は、ほとんどの場合「温度差」です。
冷たい物を入れた土鍋を火にかけた、または濡れているのに火にかけた
などのように、温度差が生じるとヒビが発生してしまうのです。

 土鍋にはお米のとぎ汁を利用

土鍋の中にお米のとぎ汁を入れて煮立たせます。
そうする事で、とぎ汁の中に含まれるデンプン質がひび割れの中に
接着剤代わりとして入り込み、ひび割れを修復してくれるのです。

ポイントは“濃いめ”のとぎ汁を使用すること。
洗い終わりくらいの薄いとぎ汁では
デンプン質の成分が薄いため、
あまり修復の効果は期待できません。
修復したい陶磁器がある時は、
濃いめのとぎ汁を捨てずに再利用しましょう。

他には『おかゆ』がおすすめです。

鍋に残りご飯と水を入れて弱火で煮込みます。
入れたご飯がおかゆの状態になったら火を止めて、
そのまま完全に冷えるまで冷まします。

そうすると、ヒビの隙間に“デンプン”が入り込み、
のりの役割をしてくれるのです。
一度で直りきらない場合は、何度か試してみてください。
《おかゆを炊く⇒乾燥させる⇒再度おかゆを炊く》を
繰り返すだけでヒビを直すことができます。

おわりに

いかがでしたでしょうか?
牛乳やお米のとぎ汁にはこんな使い道もあるんですよ。
冷蔵庫に賞味期限の切れた牛乳が残っていたり、
お米のとぎ汁をすぐに捨ててしまうという方は、
意外な方法ではありますが、とっても簡単に修復できる方法ですので、
ぜひ一度試してみてくださいね。

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