その他 2021.9.08
のしの種類と選び方
日本の贈り物には欠かせない「熨斗 (のし)」。
一口に“のし”といってもさまざまな種類がありなかなか分かりにくいもの。
そこで今回は、贈り物の目的に応じた“のし紙の使い分け”についてご紹介します。
1.のし紙とは?
熨斗と水引を印刷した紙を“のし紙”と言います。
一般的に「のし」という場合は“のし紙”のことを指します。
上段には「御祝」や「御歳暮」など贈る目的に合わせた“表書き”をし、下段には贈り主の名前を書きます。
※ 熨斗 (のし) :のし紙の右上にある「熨斗鮑 (のしあわび)」を模した飾りの部分
水引 (みずひき):のし紙の中心にある紐のこと
2.のし紙の種類と使い分け
一般的に使われるのが「紅白蝶結び」「紅白結び切り」「黒白結び切り」の3種類。
結び方や紐の本数、紐の色にはそれぞれ意味がありますので目的に応じて使い分けましょう。
2-1.紅白蝶結び
別名「花結び」。
何度でも結び直すことができることから、
“何度繰り返してもよい”お祝い事やお礼などに用います。
用途:御祝、御礼、内祝、御中元など
2-2.紅白結び切り
「本結び」「真結び」「固結び」とも呼ばれています。
二度とほどけないようにしっかりと固く結ぶことから
「繰り返してほしくない」一度きりでよい事柄に用います。
また、結び切りと同じようにほどけにくい「あわじ結び」が使われることもあります。
用途:結婚祝い、御見舞い、快気祝いなど
2-3.黒白結び切り
二度と起きてほしくないお悔やみ全般には、水引は結び切りで一般的に黒白を使用します。
関西や北陸地方など一部地域では「黄白結び切り」の水引が使われることもあります。
お祝い事ではないので、熨斗はつけません。
用途:志、御供、御霊前など
3.紐の本数
【慶事】
紐の本数は奇数(3本・5本・7本)で、5本が一般的な本数とされています。
丁寧に送りたい場合や豪華なお祝いの場合には7本、
簡単に済ませる場合(粗品など)は3本にすることもあります。
9本も奇数ですが「苦」を連想させるため避けましょう。
なお、婚礼関係の場合は「慶びが重なるように」という意味を込めて
5本の倍の10本の水引を用いるのが正式です。
【弔事】
本来、偶数本数(2本・4本・6本)が使用され、4本が基本とされていましたが
現在は5本・7本が一般に定着しています。
4.紐の色
【慶事】
赤白、金銀、赤金など
・紅白:お祝い事など慶事全般に使用
・金銀:主に結納や結婚祝いで使われる
その他、長寿祝いなど一生に一度のお祝い事に用いられる
・赤金:主に神社で扱われるお札や、正月の門松などに使用
【弔事】
黒白、黒銀、銀白、黄白など
・黒白:仏事全般に使用
・黄白:主に関西地方で用いられる
※ 濃い色が右、薄い色が左になるように結びます。
5.無地熨斗とは
贈り主の名前だけを書いたり、表書きや名前を書かないシンプルなのしのことを言い
ちょっとした贈り物や手土産などに用います。
また、相手に気を遣わせないように“お返しは不要ですよ”という意味で使われることもあります。
6.おわりに
いかがでしたか?
手間と時間を省くため1枚の紙に印刷されたのし紙は、あくまでも
略式のものですので使い方によっては失礼にあたることもあります。
大切な贈り物の場合、きちんと熨斗を付け、水引を引くよう注意してください。
※ 今回ご紹介しました内容は一般的な例です。
地域や習慣、宗派(弔事の場合)によって異なる場合があります。
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