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厨房用品 2021.7.15

【IH対応】調理器具 ~見分け方と選び方~

遠藤

ご家庭の熱源はガス火ですか?IHクッキングヒーターですか?

オール電化の流行と共に、IHクッキングヒーターを導入するご家庭も増えていますが
すべての調理器具が使えるわけではありません。

そこで今回は【IHで使える調理器具の見分け方と選び方】についてご紹介します。

 

1.「IH」とは?

 

IHとは「Induction Heating」の略で「電磁誘導加熱」のこと。
IHクッキングヒーターは、磁力線(磁場)の働きによって
鍋自体を発熱させる仕組みになっています。

 

2.IH対応の調理器具の見分け方

 

2-1.【材質】

電磁誘導を利用して金属製の鍋自体を発熱させるという仕組みのため、
非金属製の調理器具は原則として利用できません。

 

・IHで使える素材:ステンレス、鉄、ホーロー

・IHで使えない素材:耐熱ガラス、アルミ、銅、陶磁器

※「オールメタル対応」のIHクッキングヒーターは、
アルミや銅が素材の調理器具も使用することができます

 

2-2.【大きさ(底径)】

・IHで使える大きさ(底径):12~26cm

・IHで使えない大きさ(底径):12cm未満

 

小さすぎると異常検知機能が働き、火力が弱くなったり加熱できないことがあります。
※メーカーや機種によって異なりますので注意して下さい

 

2-3.【底の形状】

IHクッキングヒーターは、底面がトッププレートに密着するものでないと
センサーが反応しない仕組みになっています。

・IHで使える底の形状:平ら
・IHで使えない底の形状:丸い、反りがある、歪みや凹みがある、脚付き

 

その他、とても簡単な見分け方として“磁石”を使う方法があります。
調理器具の底面に磁石がつくかどうかで判断できます。

磁石が付けば磁性素材であり、IHでも使うことができますので
ご家庭にある調理器具がIH対応かどうか調べるのにも役立ちますね。

※磁石がつかない非磁性ステンレス(18-8、18-10)や多層構造の調理器具もIHで使えますが、
種類によっては火力が弱くなったり、加熱できないものがあります。

 

3.IH対応の調理器具選びのポイント

 

3-1.SGマーク付きの調理器具がおすすめ

SGとは“Safety Goods (安全な製品)”の略で、「一般財団法人 製品安全協会」が定めた
安全基準に適合している製品にのみ表示されるマークです。

安全性を重視するなら「SG-IH」または「SG-CH・IH」マーク付きの製品を選ぶと良いでしょう。

・「SG-IH」:IH専用
・「SG-CH・IH」:IH、ラジエントヒーター等すべてのクッキングヒーターに対応

 

※土鍋や焼き網、耐熱ガラス鍋など、SGマークや「IH用」の表示があっても
メーカーでは使用を避けるようにと記載されている場合もありますのでご注意ください

 

対応ボルト数を確認する

IHクッキングヒーターのボルト数に合った調理器具を選びましょう。
一般的に卓上タイプは100V、キッチンのビルトインタイプは200Vであることが多いです。

200Vのヒーターで100V用の調理器具を使用すると高熱に耐えきれず鍋底が変形し、
最悪の場合、鍋底が溶け出してクッキングヒーター自体を破損する可能性があります。

 

4.IHクッキングヒーターで土鍋は使えるの?I

 

一般的に、土鍋など陶磁器はIHクッキングヒーターでは使用できません。
しかし、近年のIHクッキングヒーターの普及に伴いIH対応の土鍋も増えてきました。

IH対応土鍋は以下のような2つのタイプに分けられます。

 

4-1.発熱プレート取り付け型

電気を通す発熱体を外付けするタイプ。

鍋内部の底にプレートを敷くことでIHクッキングヒーターでも使用できるようになります。
ただし、すべてのIH対応の土鍋に適しているわけではありませんので
購入前に一度確認しておきましょう。

※ガス火専用の土鍋での使用は避けてください

 

4-2.一体型

鍋底に磁性体を塗布したり、磁性金属板を埋め込むなどの加工が施されているタイプ。
代表的なものに、鍋外側の底面に発熱体を取り付けた「サーマテック鍋」などがあります。

 

※メーカーによってはSGマークや「IH用」の表示があっても土鍋の使用を勧めていない場合もあります
IHが故障したり、火力が弱く調理できない可能性があるため注意しましょう

 

IH対応の調理器具はガスコンロでも使えるの?

 

「IH対応」の表記がある調理器具は、ガスコンロでも使用することができます。

ただし、IHに対応している調理器具は材質の違いで熱伝導率が低いため、
ガスコンロで使う場合には加熱に時間がかかってしまいます。

また、底などを適度に厚くしたり、多重構造のものが多く重量も重くなります。
一方、「IH専用」の表記がある調理器具に関しては、IHクッキングヒーターでしか使えません。

 

5.おわりに

いかがでしたか?

お手入れの簡単さと安全性の高さが魅力のIHクッキングヒーター。
IHで使える素材や形状の特徴を知り、自身のライフスタイルに合った
使いやすい調理器具を見つけて料理を楽しんでください。

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