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その他 2020.3.21

知ってましたか? お菓子の語源あれこれ《 洋菓子編 -その1- 》

遠藤

普段何気なく食べている『お菓子』。

お菓子の名前ひとつひとつにどのような意味が隠されているか知っていますか?

今回は《洋菓子》の名前の由来や語源ついてご紹介します。

 

1.洋菓子

 

1-1.【シュークリーム】

パータ・シュー(シュー生地)にクリームを詰めたお菓子。

「シュークリーム」という言葉は造語で、フランス語では『シュー・ア・ラ・クレーム (chou a la creme)』と言います。
「シュー」は“キャベツ”、「クレーム」は“クリーム”のことで、直訳すると「クリーム入りのキャベツ」という意味です。

《ボコッと膨らんで焼けた形や、表面に入る亀裂がキャベツに似ていたこと》からこのように名付けられました。

ちなみに、英語では『クリーム・パフ (cream puff)』、
ドイツでは“風の袋”を意味する『ヴィントボイテル (Windbeutel)』と言います。

 

1-2.【エクレア】

シュー生地を使った菓子の一種。

正式名称は、フランス語で『エクレール・オ・ショコラ (eclair au chocolat) 』。

フランス語で“稲妻”を意味する「エクレール (Eclair) 」。

なぜ“稲妻”なのかは諸説あり、
《シュー生地を焼いたときにできる表面の亀裂が稲妻に似ているから》
《表面にかけられたチョコレートやフォンダンが稲妻のように光るから》
《中のクリームが飛び出さないように、稲妻が光るかのように素早く食べなければならないから》といわれている。

ドイツでは、ドイツ語で“稲妻”を意味する「ブリッツ (Blitz) 」から『ブリッツクーヘン』と呼ばれています。

 

1-3.【サントノーレ】

フランスの伝統的なケーキの一つで、丸く焼いたパイ生地の土台の縁に、
カラメルを塗った小さなシュークリームを飾り付け、中央にクリームを絞ったお菓子。

名前の由来は、
《考案した菓子職人の店が、フランスの首都・パリの「サントノーレ通り」にあったから》
《菓子職人、パン職人の守護聖人とされる聖オノレ(Saint-Honore:サン・トノレ)に捧げたお菓子だから》といわれている。

 

1-4.【クロカンブッシュ】

フランスの伝統的なウェディングケーキ。

小さなシュークリームを円錐状に積み上げ、飴やカラメルなどを接着剤のようにして固めて作るお菓子。

固まった飴やカラメルを噛むとカリッと音がすることから、
《「パリパリ音がする」を意味する“Croquer”と「口の中で」という“en bouche”をあわせて》
『クロカンブッシュ (croque en bouche) 』と名付けられました。

 

1-5.【パリブレスト】

《パリとブレストを往復する自転車レース「パリ・ブレスト・パリ」の開催を記念して作られた》フランスの伝統菓子。

リング状のシュー生地は“自転車の車輪”を表しています。

 

1-6.【ペ・ド・ノンヌ】

揚げたシュー生地に砂糖をまぶしたフランスのお菓子。

《ある修道院の尼さんがおならをした恥ずかしさで、思わず油の中にシュー生地を落としたことから》

誕生したお菓子なので『ペ・ド・ノンヌ (Pets de nonne):尼さんのおなら 』と名付けられました。

別名『スピール・ド・ノンヌ (Soupir de nonne):尼さんのため息』とも呼ばれています。

 

1-7.【ルリジューズ】

<出典:cookpad >

 

大小二つのシュークリームを積み重ね、繋ぎ目にバタークリームをレースのように絞ったフランスの伝統菓子。

《この形とバタークリームのレース模様が、修道服の襟のように見えることから》

『ルリジューズ (Religieuse):修道女』と名付けられました。

 

1-8.【フロッケンザーネトルテ】

<出典:食べログ >

 

シュー生地を薄く焼き、生クリームとサワーチェリーを重ねたドイツのお菓子。

雪が積もったようにみえることから、ドイツ語の
《“flocken(雪のかけら)”“sahne(クリーム)”“torte(ケーキ)”》という単語が名前になりました。

 

2.おわりに

 

いかがでしたか?

フランスで生まれたお菓子『シュークリーム』。

日本語ではお菓子のシュークリームのことですが、
英語では《shoe cream=靴用のクリーム》を意味します。

日本で造語としてつくられた和製英語では、外国の人に通じないので
お菓子好きの方はぜひ『cream puff(クリーム・パフ)』を覚えておきましょう!

 

次回は《 洋菓子編 -その2- 》の名前の由来や語源ついてご紹介します。

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