その他 2017.12.26
【ウイスキーのことを知りたい2】ウイスキーの分類とできるまで
【ウイスキー】知ってるようで知らないお酒。
そんなウイスキーに関する情報を3回に分けて紹介します。
2回目の今回は、
ここ近年の再ブームの反動で原酒不足に陥っているウイスキー。
ビール・ワインは知られているけど、そもそもウイスキーって何?という疑問からウイスキーの分類ができるまでを紹介したいと思います。
1.ウイスキーの分類
ウイスキーは大きく分けて、原料と産地によって分類されます。
1.1 原料による分類
ウイスキーは大きく『モルト』と『グレーン』の2つに分けられる。
『モルト』とは、大麦麦芽だけを原料にしたもの。
『グレーン』とは、トウモロコシ、ライ麦、小麦などの穀物を原料にしたもの。
これが【原酒】
混ぜていないピュアなウイスキーといえる。
さらに、『モルト』と『グレーン』を組み合わせたものを『ブレンデッドウイスキー』、他の蒸留所のものとブレンドせず、一つの蒸留所のモルトウイスキーだけで造られたものを『シングルモルトウイスキー』という。
1.2 産地による分類
1回目でも触れましたが、世界の5大ウイスキーといえば、
スコットランド・アイルランド・アメリカ・カナダ・日本。
それぞれの国で造られているウイスキーは以下のように分類される。
スコットランドは『スコッチ・ウイスキー』
アイルランドは『アイリッシュ・ウイスキー』
アメリカは『アメリカン・ウイスキー』
更に、ケンタッキー州バーボン郡を中心に造られるものを『バーボン・ウイスキー』
テネシー州を中心に造られるものを『テネシー・ウイスキー』という
カナダは『カナディアン・ウイスキー』
そして日本は『ジャパニーズ・ウイスキー』
と分類されている。
その他に、蒸留所や樽に関わる事でもっと分類されるようで、ウイスキーって奥が深いです。
そんなウイスキーはどうやってできるのか、気になりませんか?
2.ウイスキーができるまで。
ウイスキーの製造方法は途中までビールと同じなんです。
ウイスキーとビールの違いは『蒸留』という工程。
製造工程を簡単に分けると
原料(麦芽の製造) → 仕込み(糖化) → 発酵 → 蒸留 → 熟成(貯蔵)
の5段階となる。
これだけではよくわからないので、大麦麦芽だけを原料とした『モルトウイスキー』の製造工程で説明します。
2.1原料(麦芽の製造)
原料となる麦芽を作る工程です。
大麦を水に浸す『浸麦(しんばく)』という工程から始まります。
この工程で使用する水。ウイスキーづくりにとって水は命。
飲んでおいしい水は当たり前だが、発酵の工程で使用する酵母の生育に好ましいミネラルが含まれていなくてはいけません。
ウイスキー蒸留所の立地条件に土地の水質の良さが求められるのです。
この『浸麦(しんばく)』の目的は
・大麦のホコリやチリなどを洗い落とす
・発芽のために必要な水分を補う
水分を多く含んだ大麦を発芽させ、乾燥させると原料の『麦芽』ができる。
2.2仕込み(糖化)
デンプンを糖類に変え麦汁を作る工程です。
原料の麦芽を粉砕し温水を加えて混ぜる。
ここで、糖化酵素が働き、デンプンを糖類に変える。
これをろ過したものが『麦汁』となる。
次の工程で使用する酵母は、デンプンをアルコールに変えることができません。その為、デンプンを糖に変える必要があるのです。
2.3発酵
出来上がった麦汁に酵母を加え発酵させる工程です。
麦汁に酵母を加えることで、糖がアルコールと炭酸ガスに分解される。
これが発酵。
発酵終了後はアルコール度数70%の発酵液ができる。この液を『もろみ』と呼ぶ。
ここまでは、ビールもほぼ同じ工程となる。
ウイスキーには『蒸留』という次の工程がある。
2.4蒸留
ビールは熟成(貯蔵)の工程に進むが、ウイスキーは蒸留を行いアルコール濃度の高い酒を取り出す。
蒸留とは、液体を加熱し蒸気を発生させ、これを冷却、液体化させること。
この蒸留を『モルトウイスキー』は2回行う。
この蒸留されたばかりの原酒の元は『ニューポット』と呼ばれる。
2.5熟成(貯蔵)
蒸留でできた『ニューポット』を樽の中で寝かせる。これを貯蔵という。
樽熟成により、無色透明の液体が、ウイスキーの琥珀色に変わる。
この樽熟成がないとウイスキーにはならない。
ウイスキーの風味は樽によって7割決まると言われている。
また、温度や湿度で姿を変えるので、貯蔵場所、貯蔵年数などで、奥深い味わいとなる。
この様な工程で出来た『モルト原酒』を同一蒸留所のモルトとブレンドし、瓶詰めすればシングルモルトウイスキーの完成。
3.まとめ
ウイスキーの製造工程を知って原酒不足に陥った理由がわかりました。
ウイスキーは樽熟成させ、ブレンドさせて完成するのです。
例えばスコッチの場合、3年以上熟成しなくてはいけない為、販売するまでとても時間がかかるお酒なんです。
だから、原酒をすぐに確保できない。
それなのに、ウイスキー消費の低迷で生産を縮小し原酒が少ない所に、ウイスキーブームが到来してしまったことが原酒不足の理由。
だから、年数表記のないウイスキーが増えているのも、原酒不足の影響といえる。12年、18年といった長期熟成した原酒を確保することができなくなったからなのです。
次回は、そんな【ウイスキーの楽しみ方】を紹介します。
【ウイスキーのことを知りたい2】ウイスキーの分類とできるまで
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