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その他 2020.11.26

知るとさらに楽しい!和食器・やきもの用語 〜その1〜

遠藤

日常的に使われている和食器。

やきものには絵付けや成形などなど様々な技法があり、
普段の生活では耳にしないような用語が沢山出てきます。

そこで今回から3回にわたり、和食器を選ぶ際にも役立つ
“和食器・やきものに関する用語”をご紹介します。

 

1.あ行

 

1-1.【赤絵】あかえ

一般的に、赤を基調にして上絵付けをしたもの。
九谷では“赤絵細描 (あかえさいびょう)”が有名。「色絵」とも呼ばれる。

 

1-2.【飴釉】あめゆう

鉄分が酸化焼成により飴色に発色する釉薬。鉄釉の一種。

 

1-3.【イッチン描き】いっちんがき

チューブ・スポイト型の筒の中に泥漿や釉薬を入れて作品に盛り付ける装飾技法。
泥を付けた部分が盛り上がって模様となります。材料を筒に入れることから「筒描き」ともいわれる。

※泥漿(でいしょう):粘土を水で熔いたもの。

 

1-4.【糸底】いとぞこ

陶磁器の底のこと。
ろくろから切り離す際に糸を使用する事が由来。「糸尻 (いとじり)」とも言う。

1-5.【伊羅保】いらぼ

朝鮮半島で焼かれた高麗茶碗の一種。
鉄分の多い砂まじりの粗い土で成形され、器の表面がイボイボしているのが特徴。

 

1-6.【色絵】いろえ

釉薬をかけて焼いた陶磁器に、赤・緑・黄・青・紫などの色釉で模様を施し、再度低温で焼成したもの。

「赤絵」「錦手 (にしきで)」とも言う。中国では「五彩」とも呼びます。

 

1-7.【印花】いんか

文様が彫られた印材を生乾き状態の素地に押し当てて模様をつける装飾技法。
ここでいう「花」とは“模様”という意味を持ちます。

 

1-8.【印判】いんばん

転写紙や判によって模様を施す装飾法。
明治期に大量生産を目的として始まりました。

 

1-9.【釉薬】うわぐすり・ゆうやく

陶磁器の表面を覆っているガラス質のこと。
やきものを美しく見せるだけでなく、器を丈夫にしたり、水分や汚れの浸透防止の役割も果たしている。

 

1-10.【絵付け】えつけ

陶磁器の表面に絵や模様を描くこと。
釉薬の上に絵付けをすることを“上絵付け”、釉薬の下に絵付けをすることを“下絵付け”と呼びます。

 

2.か行

 

2-1.【灰釉】かいゆう・はいゆう

草木や藁などの灰を原料とした釉薬。
植物の種類によって、色や風合いが変わります。

 

2-2.【梅華皮・梅花皮】かいらぎ

釉薬が鮫肌状に縮れたもの。
釉薬を厚く掛け過ぎたり、焼成不足で溶けきれなかった場合などに発生します。

 

2-3.【掻き落とし】かきおとし

出典元:とりで本舗

素地に色の異なる化粧土を塗ったあと、表面の化粧土を削り模様を施す技法。
中国では“剔花 (てきか)”と呼ばれる技法です。

 

2-4.【掛け流し】かけながし

柄杓などでなだれ状に釉薬を流し掛けること。

 

2-5.【掛け外し】かけはずし

出典元:小代焼中平窯

素地が一部見えるように掛け残すこと。

 

2-6.【掛け分け】かけわけ

2種類以上の釉薬を混ざらないよう分けて掛けること。

 

2-7.【貫入】かんにゅう

釉薬の表面にできたひび模様のこと。
素地と釉薬の収縮率の違いから生じる。

 

2-8.【素地】きじ

粘土で成形した焼成前の無釉のものをいう。
陶器は土由来の粘土「陶土」、磁器は石由来の粘土「磁器土」から作られている。
また、素焼前の成形品を“生素地”、素焼後のものを“素焼素地”と呼ぶ。

 

2-9.【櫛目】くしめ

櫛型の道具を使って装飾する技法。

 

2-10.【景色】けしき

やきものの見所の一つ。
焼成加減や釉薬の溶け具合によるコゲやビードロ釉など、器の表面に現れた偶然の変化を指す。

 

2-11.【化粧掛け】けしょうがけ

仕上がりを美しく見せるため、素地に白化粧土などを掛ける技法。
ほとんどが白い土を用いるので「白化粧」とも呼ばれる。

 

3.おわりに

 

いかがでしたか?

やきものの表情は十人十色。
ひとつひとつに個性があって面白さがあります。

大切に長く使うことによって様々な変化を楽しむ事ができますよ。

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