その他 2021.7.20
世界では珍しい⁉‘‘器を持つ‘‘日本文化
私たちが普段食事をするとき、お茶碗やお汁椀などの食器は、ほとんどの場合、手に持って食べます。
これは伝統的な和食器作法のひとつなので、日本におけるマナーとして、正解です。
ですが、‘‘器を持って食べること‘‘が、マナー違反になる国もあります。
今回は日本文化である和食のマナーと海外の反応についてご紹介します。
目次
1. 何でも持った方がいいわけではない
なんでもかんでも器を持てばいいのかと言われると、それは日本文化のマナーとは異なります。
1-1 繊細な日本文化にはちょっとしたルールがあります
①手のひらより小さい器は‘‘持ち上げる‘‘。
②逆に手のひらよりも大きい器は、‘‘持ち上げない‘‘。
③小鉢やお米をよそったお茶碗は持ち上げて、お魚などを置いた平皿はおいたまま食べる。
日本で育てば自然に身につくマナーではないでしょうか。
2. 和食のマナーの鍵は‘‘お米‘‘
手のひらよりも大きくても持ち上げる食器があります。それが何かもうお気づきですよね。
正解は‘‘ごはん茶碗‘‘です。
しかしなぜごはん茶碗だけ手のひらより大きくても持ち上げるのでしょうか。
その疑問の鍵は‘‘お米‘‘に隠されていたのです。
2-1 古くからお米は上に持ち上げて敬意を示す対象だった?
お米は主食として日本人の食事を支え、大切にされてきました。
言い伝えも様々あるようですが、今回は主に聞いたことがある様な言い伝えを2つご紹介します。
2-1-1 「米」と言う漢字に隠された秘密
「米」という字は「八十八」という文字からつくられたといわれています。
お米ができるまでには88回もの手間がかかる、という意味です。昔に比べて今は便利な機械もあるので、
米作りも早く楽にできるようになりました。それでも、稲を育ててお米を収穫するまでには、たくさんの手間がかかります。大切に手をかけて育てられたお米だから、大事に食べたいですね。
2-1-2 米に存在する7人の神様
「一粒のお米には七人の神様がいる」
小さい頃、ごはん茶碗に一粒でもお米がくっついている時、両親や祖父母から、良く言い聞かされていました。
水、土、風、虫、雲、太陽、そして作る人の七つの意味があるそうです。
器を上に持ち上げることで神様に感謝の気持ちを込める。
そんな説もあるそうで、いかにも日本らしい文化ですよね。
3. 日本食は持った方が食べやすい
伝統的な日本人の食事スタイルでは、低いお膳に向かって正座をして食事をとります。
今ではあまり馴染みがないかもしれませんが、旅館の懐石料理などで想像できると思います。
低いお膳に正座をして食事をしようとすると、どうしても食器から口もとの距離が長くなります。
その距離をカバーするためにも‘‘器を持つ‘‘動作が活きているのだと思います。
日本ならではの食器や食べ方に合わせて和食器作法が発展したのです。
4. 海外が器を持たない理由は器にあった?
西欧ではもちろん器を持つのはNGです。
テーブルに置かれた食べ物と口の距離がお膳の場合と比べ短いというのと、
日本食は器を持って食べるため、食器が小さくて軽く設計されているのに対し、
洋食は器を持たない為、大きくて重たいという特徴があります。
驚きなのはお隣・韓国の反応です。韓国も、西欧と同じように、日本の器を持ち上げる文化に違和感を感じています。理由は先程と一緒で、‘‘食器‘‘にあります。韓国では、日本と違って鉄製の食器を使います。
これは保温力は抜群ですがなにしろ熱い!持ち上げるのには向かない食器だから、下に置いたまま食べる文化が根付いたんですね。韓国では器を持ち上げて食べると、とても下品に見えるそうですから、ご旅行の際などは気をつけましょう。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか?
何気ない「器を持ち上げる」という動作にも、いろいろな背景があったのですね。
今日からお米を食べる際には、ぜひ七人の神様を思ってお茶碗を持ち上げてくださいね!
ちなみに弊社でごはん茶碗や汁椀も販売しておりますので、よかったらチェックして下さい。
https://item.rakuten.co.jp/izumiyanet/c/0000000738/?s=5&i=1#risFil
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