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その他 2018.1.30

【南部鉄器の使い方】鉄瓶の使い始めとお手入れ方法

青木

鉄瓶は、重い・錆びる、扱いにくそうと、嫌がられそうですが、
ちょっとしたお手入れをすれば長く使える道具。
鉄瓶とうまく付き合い育てていく方法をご紹介します。

1.使用する前に知っておきたいこと

鉄瓶の内側には金気止めが施してあります。
金気止めは炭を燃やして高温で鉄瓶を焼く仕上げのこと。
この作業によって内部に酸化皮膜という膜が出来ます。
これは、サビ止めの役割をしてます。

この酸化皮膜壊さず、早く鉄瓶をお湯に慣らすことが大事です。
皮膜が完全にはがれないうちに【湯垢(ゆあか)】をつけましょう。
【湯垢(ゆあか)】が付くことで、錆びにくくなります。
鉄瓶の中に一晩水をいれたままにしてもまったく錆びなくなるのです。
ただここまでいくには時間と丁寧な扱いが必要となります。

※湯垢(ゆあか)とは・・・水に含まれるカルシウム・マグネシウムイオンが水を沸かすことで結晶化し、鉄肌に吸着した白い膜のようなもの。

 

2.使い始める前にやること

湯垢をつけるための『慣らし』をしましょう。

①水を8分目まで入れます。蓋をはずし中火にかけ約20分間沸騰させます。
※IHの場合は弱~中に設定してくださ

②蓋をのせ、中の湯を捨てます。蓋をはずし内部を乾かし、本体を冷まします。

この①~②の工程を3回繰り返します。
これで慣らし作業が完了です。
使い込むほどに湯垢(ゆあか)が定着してきます。

鉄瓶は毎日使ってあげることがお手入れになります。

 

3.基本的な注意事項

・沸かす水の量は8分目
これ以上入れると、お湯が沸いたとき吹きこぼれるので危険です。

・沸かすときは蓋を少しずらす
蓋をしたまま沸騰させると注ぎ口から熱湯が噴出し危険です。
蓋をずらすか、蓋を外して沸かしましょう。

・使用後は蓋をしないで鉄瓶内部を乾かす
お湯を全部移した後は、蓋をしないで余熱で乾かしましょう。
外した蓋も仰向けにして蓋裏も乾かしてください。
水分が残っている場合は、蓋を外して30秒を目安に加熱して完全に乾かしてください。

・鉄瓶の内部は絶対に手を触れない
手の脂でサビが発生したり、洗うことで湯垢や酸化被膜がはがれてしまいます。

・鉄瓶のツル(取っ手)
固定されて倒れないツルがあります。
無理に倒さないでください。

・200V IH 調理器について
南部鉄器はIH調理器に反応する素材なので使用はできます。
ただし、急激に加熱したり、長くお使いになることで底面が変形する可能性があります。
底面を厚くしてある『IH対応』の商品をお使い頂くことをお勧めいたします。

4.サビのお手入れ方法

鉄瓶内部にサビが発生しても、湯の色や臭いに異常がなければ問題はありません。
絶対に内部をこすったり磨いたりしないでください。
湯垢や酸化皮膜が はがれ、よりサビやすい状態になってしまいます。
もし、サビが気になるようでしたらお茶のタンニンによるお手入れ方法をお試しください。

(1)煎茶の茶ガラをだし取り用のパックに詰めたも、又は市販の無香料の紅茶ティーバッグをご用意ください

(2)水を8分目まで入れ(1)を入れます。蓋をはずし、弱~中火にかけ沸騰後約20分煮出します。

(3)茶ガラは取り出さず、水を注ぎ足し溢れない程度に満たします。
黒い湯を入れたまま半日程放置して湯を捨てます。

※サビの色が気になる場合、(2)~(3)の工程を数回繰り返してください。

(4)サビの色が落ち着きましたら内部をすすぎ、沸かしたお湯が澄んでいれば完了です。

 

5.まとめ

使い始めの『慣らし』がちょっと大変ですが、湯垢(ゆあか)をつけることでお手入れがとても楽になる事がわかりました。
鉄瓶でお湯を沸かし、まったりとして時間の中でお茶を飲むのもいいと思いませんか?
体も心も癒されますよ。

 

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