その他 2021.8.30
食器に使われる木材の種類 ~その1~
温もりを感じられる「木製食器」。
木製食器にはどんな木材が使われているかご存知ですか?
木の種類により木目や色合いも異なり、一つとして同じものはありません。
今回から3回にわたり“食器に使われる木材の種類”をご紹介します。
目次
1.【アイアンウッド】
インドネシアのスラウェシ島が産地の木材で現地ではナニと呼ばれています。
耐水性に優れており、鉄のように硬く丈夫で最高級品に位置する木材です。
2.【アカシア】
とても軽くて丈夫なので、食器としてよく使われる木材です。
色の濃淡がはっきりしており、縞模様のような美しい木目が特徴。
アカシアの器は、洋食だけでなく和食にも馴染みますよ。
3.【アカマツ】赤松
長寿を表す縁起の良い木、松竹梅としても親しまれています。
白く美しいアカマツは、とてもきれいな木目で
年月が経過すると少しずつ飴色に変わり自然のツヤがでます。
4.【イチイ】一位
別名:オンコ、アララギ
甚だ赤い木材であることから「甚緋 (イチヒ)」が語源といわれている。
また、名前の由来は仁徳天皇がこの木で笏(しゃく)を作らせ、その見事な出来栄えに感激し
当時の最高位である「正一位」を授けたという逸話からきているとも言われています。
時間が経つと徐々に褐色を帯び、落ち着いた色合いになっていきます。
5.【イチョウ】銀杏
適度に油分を含み、水はけがよいことから、まな板の材料として最適。
材質は均一で比較的柔らかく復元力があるので、刃当たりが良く包丁の刃を傷めません。
また、イチョウの木にはフラボノイドという成分が含まれているため、
まな板にニオイが付きにくいというメリットもあります。
6.【ウォルナット】
チーク、マホガニーと並んで世界の三大銘木の一つ。
ウォルナットは「くるみ」のことを指しますが、日本ではブラックウォルナットというダークな
色合いの木材のことを指す場合が多く、美しい木目と深みのある色合いが高級感を漂わせてくれます。
使うたびにツヤが増し、経年変化を楽しめる木材です。
7.【エゾマツ】蝦夷松
美しい木目模様と優しい淡黄白色が魅力的。
また、国産材の中で音響効果が最優秀といわれ、ピアノやオルガンの響板のほか、
バイオリンの甲板など楽器作りには欠かせない木材です。
8.【エンジュ】槐
堅い素材で、古くから床柱や床框などに使われてきました。
また「延寿」の字があてられ、縁起の良い木としても重宝されています。
国産材としては珍しい暗色系の木材です。
※床框 (とこがまち):床の間の前端に置く化粧横木のこと。床縁(とこぶち)ともいう。
9.【カエデ】楓
別名:メープル
“木の真珠”と称されるほど木肌はなめらかで白く、絹のような光沢があります。
日本のイタヤカエデは、北米産のハードメープルと比べると
ほんのりと赤みがかった色をしているのが特徴です。
木目が波状に縮んでしわがよったように見える「縮杢」や
小鳥の目のような小さな円形の斑点「鳥眼杢」が現れることもある。
10.【カキ】柿
全体に淡い橙褐色を帯びている。
ごく稀に黒色の縞模様や濃淡が入ることがあり、
ときに孔雀の羽の模様に似た「孔雀杢」が現れる。
そうした材を「黒柿 (クロガキ)」と呼び、銘木として珍重されています。
11.【カシ】樫
国産材の中で最も重く堅い木材。
強靭で衝撃に強く耐摩耗性が高いため、斧・鉈・鍬などの柄や鉋台として使われています。
12.【カヤ】榧
独特の臭いがある葉を「蚊遣り (かやり)」に用いたことから
「カヤ」の名がついたと言われています。
淡黄色の上品な色合いで、きめが細かく美しい木肌。
使い込むにつれ飴色へと変化し、時間とともに味わいや深みが増していきます。
13.おわりに
いかがでしたか?
さまざまな表情を見せてくれる木製食器。
同じ一本の木でも採取する部分によって異なる木目や色合いを楽しむことができます。
経年変化を楽しみながら自分だけの食器を育ててみてくださいね。
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