食器 2021.2.03
茶渋の落とし方
スポンジで擦ってもなかなか落ちない厄介者。
使うたびきれいに洗っているつもりでも、
いつの間にかカップの底や内側についている「茶渋」。
今回は“茶渋をすっきり落とす方法”をご紹介します。
1.茶渋とは?
茶渋とは、お茶や紅茶、コーヒーに含まれる「ポリフェノール」と呼ばれる成分が
水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの金属イオンと結びついたもの。
そのまま放置していると雑菌が繁殖する原因にもなりますので早めに対処しましょう。
2.茶渋汚れの落とし方
2-1.【つけ置きで落とす方法】
湯呑やカップなどに水を入れて直接つけ置きをする方法もあります。
1.塩素系漂白剤につける
ハイターなどの塩素系漂白剤はつけておくだけで茶渋を漂白して、除菌もしてくれます。
冷たい水よりも40℃くらいのぬるま湯の方が短時間で効果があらわれます。
液体や泡などの種類がありますので、用途によって使い分けてみてください。
※注意※
・換気をしながら作業してください。
・熱湯は使用しないでください。蒸気で塩素を吸い込んでしまうため大変危険です。
・金属製のタンブラーなどは変色する可能性があります。メラミン食器も劣化するために使えません。
・「酸性」の性質を持つアイテムと混ざると有害なガスが発生しますので、絶対に混ざり合わないようにしてください。
・直接手に触れると手荒れの原因になることもあるため、ゴム手袋を着用してください。
2.酸素系漂白剤につける
塩素系の独特なニオイが苦手な方には、オキシクリーンなどの酸素系漂白剤がおすすめです。
液体タイプよりも漂白力が強い粉末タイプの方が良いでしょう。
茶渋が少し残ったときはスポンジなどで軽くこすって落としてください。
3.重曹水につける
あまり強い洗剤を使いたくないという人は、自然由来の重曹を使ったつけ置きがおすすめ。
弱アルカリ性の重曹は、酸性の茶渋を中和させ汚れを落とす効果があります。
1Lのお湯に対して、大さじ3程度の重曹を入れた重曹水に食器を入れ、1時間ほど放置してからすすぎましょう。
茶渋がひどいときはつけ置き時間を長くしてください。
一度すすいで茶渋が残っているようであれば、スポンジでこすって落としてください。
重曹は熱いお湯の方が良く溶けますので、熱湯を使いましょう。
お湯の温度が低い場合は、ダマになりやすいのでしっかりと混ぜて溶かしましょう。
※注意※
・アルミ製品や銅製品に使うと黒ずんでしまいます。
・直接手に触れると手荒れの原因になることもあるため、ゴム手袋を着用してください。
4.酢につける
お酢にも茶渋を分解する力があります。
洗い桶や鍋などに酢水と一緒に入れて一晩放置したあとに
スポンジで軽くこすって落としてください。
冷たい水よりも熱湯の方が効率的に茶渋を落とすことができます。
2-2.【擦り落とす方法】
つけ置きよりも手間はかかりますが、カップひとつだけ落としたいときなどにおすすめです。
1.酢で磨く
お酢で殺菌しながら茶渋を除去できます。
スポンジにお酢を取り、茶渋をこすります。
2.塩で磨く
カップに水とひとつまみの塩を入れて、スポンジでこすってください。
水分が多いと塩が溶けてしまうので、ごく少量の水でOK。
※注意※
陶器や食器の材質よっては、細かな傷がついてしまうことがあります。
3.重曹で磨く
茶渋部分に重曹をふりかけ、軽く水を含ませたスポンジでこすり洗いをするだけでOK。
重曹は水に溶けにくく粒子も細かいので、研磨剤としての効果があります。
4.歯磨き粉で磨く
着色汚れを落とす成分・研磨成分が含まれている歯磨き粉を使って茶渋をとる方法もあります。
指やスポンジに歯磨き粉をとり、茶渋部分をこすってみましょう。
水分はあまり含めないのがポイントです。
※注意※
粒子が大きい歯磨き粉は傷がつく可能性があります。
5.柑橘類の皮で磨く
レモンやみかんなどの柑橘類の皮には「リモネン」という成分が多く含まれており、
リモネンには消臭効果や汚れを落としやすくする効果があります。
皮の汁が出るように、皮に切れ目を入れたり曲げたりしてこすりましょう。
少々頑固な茶渋には、柑橘類の皮に塩をつけてこすると良いです。
普段は捨ててしまうレモンやみかんの皮もこの機会に有効活用してみてください。
6.じゃがいもの皮で磨く
じゃがいもの皮に含まれるでんぷんが研磨剤のような役割をしてくれます。
水筒の場合は、じゃがいもの皮と少量の水を入れ、蓋を閉めて強く20回程度振るときれいになります。
7.メラミンスポンジで擦る
メラミンスポンジを水に濡らして、茶渋を優しくこするだけでOK。
研磨作用のあるメラミンスポンジでこするだけで茶渋をかき出してくれます。
たっぷりと水分を含ませてから使いましょう。
※注意※
研磨力がとても強いので、素材(漆器やプラスチックなど)によっては傷がついてしまいます。
8.アクリルたわしで擦る
アクリル毛糸の細かい繊維が茶渋を絡めとって落としてくれます。
アクリルたわしは自分で簡単に手作りすることもできますので試してみてください。
3.茶渋を予防するには?
3-1.飲み終わったらすぐに洗う
一番簡単な方法は、使用後のカップをすぐに洗うこと。
時間が経つほど茶渋が蓄積してしまうので、お茶やコーヒーを飲んだ後のカップはすぐに洗いましょう。
すぐに洗えない場合は、水につけておくだけでも茶渋が付きにくくなります。
3-2.米のとぎ汁で煮出す
陶器の湯飲みやカップの場合は、米のとぎ汁で煮沸すると目に見えない小さな穴が埋まり茶渋が付きにくくなります。
また、陶器そのものの強度を上げる効果も期待できますので試してみてください。
4.おわりに
いかがでしたか?
ちょっとしたひと手間で予防できる「茶渋」。
コツさえ知っていればきれいに保つことができます。
付着して間もない茶渋であれば、身近なもので簡単に落とすことができますので、
少しカップがくすんできたな…と感じたら、お酢や塩でこすり洗いをしてみてください。
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